⚠️ 免責事項

本記事は私個人の投資経験の記録です。特定の金融商品への投資を勧誘・助言するものではありません。ETF・投資信託の分配金・基準価額・構成銘柄は変動し、元本割れの可能性があります。為替変動により円換算ベースで損失が生じることもあります。投資判断はご自身の収入・資産状況・リスク許容度をもとにご自身でご判断ください。

ETFと投資信託を天秤にかけているイラスト

ETFと投資信託、40代の私が出した結論は「どっちか」ではなく「目的で使い分ける」でした。

9年前の私も、この問いの前で止まっていました。

40歳から投資を始め、2026年現在49歳。9年間でSPYD・HDVなどの米国ETFと、eMAXIS Slim(オルカン・S&P500)などの投資信託を並行して使い続けてきました。現在の運用資産は約6,000万円、年間配当は約120万円(税引後)です(個人実績・本業給与からの積み立て含む)。

この9年で気づいたのは「どちらが優れているか」より「どちらを何のために使うか」が本質だということです。この記事では、一般的な解説は最小限に絞り、実際に両方を使い続けた体験と正直な比較を書きます。

この記事でわかること

  • ETFと投資信託の基本的な違い(3点をシンプルに)
  • NISAで私が両方を使い分けている具体的な理由
  • 9年使ってわかったメリット・デメリットの正直な評価
  • 自分に合うほうを選ぶための判断軸

ETFと投資信託の基本的な違い

ETFと投資信託の違いを説明するイラスト

まず違いを3点だけ整理します。細かい制度の話は後回しにして、投資家として知っておくべき実質的な差だけを先に出します。

▼ ETFと投資信託の主な違い

項目 ETF(上場投資信託) 投資信託(非上場)
売買のタイミング 株と同じリアルタイム取引(市場開場中なら何時でも) 1日1回(申し込み当日か翌日の基準価額)
分配金の扱い 自動再投資なし。受け取り一択 「再投資型」を選べば自動で再投資できる
最低購入単位 原則1口単位(SPYDなら数千円〜数万円程度) 100円・1,000円など少額から購入可

この3点が、実際の使い勝手に一番影響します。

💡 ポイント ETFと投資信託を「どちらがいいか」で比べると答えが出ません。「リアルタイムで売買したいか」「配当を手元で受け取りたいか」「少額から自動積立したいか」——この目的の違いが、使い分けの根拠になります。

なお、どちらも「複数の株・債券をまとめたパッケージ商品」という点は共通です。インデックス(市場全体の指数)に連動するタイプも両方あります。

インデックス投資とは?40代が9年続けてわかった仕組みとオルカンを選ぶ理由


NISAでの私の実際の使い分け

NISAの成長投資枠とつみたて投資枠の使い分けイラスト

私の新NISA(2024年〜)の使い方は、2枠を目的別に完全に分けています。

成長投資枠(年間240万円)= 日本個別株メイン+米国ETFをサテライト

成長投資枠のメインは日本の個別高配当株です。SPYD・HDVなどの米国ETFも保有していますが、高配当株全体の約1割程度のサテライトという位置づけです。

最初は米国ETFも主力のひとつにしようと考えていました。でも分配金の入金額を調べていたときに、米国側で10%の源泉徴収が引かれていることに気づき、NISA口座でも回避できないことを知ったのが比率を下げるきっかけでした。米国ETFは米国側で10%の源泉徴収税が分配金から引かれます。NISA口座でも回避できないこの課税が、日本個別株と比べたときの実質利回りの差につながります。

その点、日本個別株は配当に対する外国側の課税がなく、NISAで保有し配当の受け取り方式を「株式数比例配分方式」に設定すれば、受け取る配当が非課税になります。9年間で年間配当約120万円(税引後・2026年5月時点)に到達した原動力は、この日本個別株の配当が中心です。

それでもSPYD・HDVをサテライトで持ち続けているのは、「円建て以外の資産を一定割合持っておきたい」という分散の意図からです。円安局面では円換算の受取額が増える副次効果もあり、少量であれば為替リスクの分散として機能すると感じています。

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つみたて投資枠(年間120万円)= eMAXIS Slimシリーズ

つみたて投資枠では eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とeMAXIS Slim S&P500を積み立てています。

こちらの目的は「とにかく自動化して放置すること」です。

投資信託は毎月の積立設定をすれば、あとは証券口座が自動で購入してくれます。再投資型を選べば分配金も自動で元本に組み込まれます。値動きも1日1回の基準価額確認だけで済む。

私のポートフォリオは高配当株(国内個別株・米国ETF)が約80%、インデックスが約20%です。インデックス部分の目的は「日本株偏重リスクのヘッジ」と「将来に向けた資産額の底上げ」で、今の配当収入よりも10年後・20年後を見据えた積み立てです。

💡 補足 旧NISAのころは年120万円の枠を高配当株一本で埋めていました。新NISAで枠が年360万円に拡大したため、つみたて投資枠でインデックス積立・成長投資枠で日本個別株と米国ETFを分けて同時に運用できるようになりました。これが「両方使う」に至った実際の経緯です。なお成長投資枠では主に日本個別株と米国ETF(サテライト)を購入しており、インデックス積立はつみたて投資枠に集約しています。

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9年使ってみた正直な比較

ETF(SPYD・HDV)の正直な評価

メリット:

  • 分配金が定期的に口座に入る。日本株の配当とは少し異なるドル建ての入金感覚を体験できる
  • 株と同じ感覚でリアルタイムの値動きを確認できる
  • ドル建て資産として、円安局面での為替分散効果が出ることがある

デメリット(正直に書きます):

  • 米国ETFは米国側で10%の源泉徴収税が分配金から引かれます。日米租税条約に基づく税率で、NISA口座でも回避できません。日本個別株の配当はNISAなら完全非課税になるのに対し、米国ETFはNISAでも実質10%課税が残ります。これが私が米国ETFをサテライト(高配当株全体の約1割)に留めている主な理由です
  • 特定口座で保有する場合、米国10%+日本20.315%の二重課税構造になります(外国税額控除の確定申告で一部回収可能なケースあり。ただし控除額には所得税額の上限があります)
  • 購入単位が1口単位のため端数が出やすく、毎月定額購入には向きにくい
  • 分配金の再投資は手動が必要。積立感覚では使いにくい

投資信託(eMAXIS Slimシリーズ)の正直な評価

メリット:

  • 積立設定をすれば完全放置できる。買い忘れも余剰も出ない
  • 100円単位から購入可能なので、積立金額をフレキシブルに設定できる
  • 再投資型なら分配金が出ても自動で元本に組み込まれる。複利効果を最大化しやすい

デメリット:

  • 基準価額が1日1回しか更新されない。相場が動いているときにリアルタイムで確認・売買できない → ただし長期積立目的なら、これは気になる必要がないとも感じています
  • 「分配金を手元で受け取る」という選択肢がない。配当収入として意識しにくい

⚠️ 注意 特定口座でETFを保有している場合、分配金に毎回20.315%の課税が発生します。NISA口座なら日本側の課税は非課税になりますが、米国ETF(SPYD・HDVなど)の場合は米国側で10%の源泉徴収税が引かれるため、NISA口座でも分配金の手取りは100%にはなりません。特定口座では外国税額控除の確定申告で一部回収できる場合がありますが、NISA口座では外国税額控除が使えないため、この10%分は回収できません。それでもNISAで運用する方が日本側課税がゼロになる分、特定口座より有利です。


ETFと投資信託どっちを選ぶ?40代の判断軸

なお、このセクションで「ETF」と書く場合は、私が実際に使っている米国ETF(SPYD・HDVなど)を指します。日本市場に上場する国内ETFとは性質が異なる点に注意してください。

「ETFか投資信託か」を決める前に、自分がどちらの目的に近いかを確認するのが早道です。

配当金を今すぐ受け取りたい → 日本個別高配当株(NISAで株式数比例配分方式に設定すれば配当非課税)

配当収入を積み上げていく目的なら、NISA口座で日本個別株を保有し、配当の受け取り方式を「株式数比例配分方式」に設定するのが最も税効率がよいと感じています。米国ETFも配当を受け取れますが、米国側の10%源泉徴収は避けられません。私の配当収入の主軸が日本個別株になっているのはこの理由からです。

とにかく楽に積み立てたい → 投資信託

毎月の積立を設定して放置したい・少額から始めたい・余剰資金を出したくない場合は、投資信託のほうが使いやすいと感じています。NISAのつみたて投資枠対象商品はほぼ投資信託です。

外貨分散も加えたい → 米国ETFをサテライトで

円建て資産だけでなくドル建て資産も持ちたいという目的なら、SPYD・HDVなどの米国ETFをサテライトとして少量加えるのが私のやり方です。ただし特定口座では二重課税(米国10%+日本20.315%)、NISAでも米国側10%は回避できないというコストを理解したうえで、あくまでサブの位置づけで使っています。

💡 ポイント 「どっちが正解か」ではなく「目的に合うかどうか」です。私の9年間の答えは、配当収入のメインは日本個別株・自動積立はインデックス投信・外貨分散のサテライトとして米国ETFという組み合わせでした。ETFは万能ではありません。二重課税のデメリットを知ったうえで使う場所を選ぶのが大切だと感じています。


FAQ

ETFと投資信託、手数料はどっちが安い?

一般的に信託報酬(保有コスト)は同じ指数を追うなら大差ありません。ただしETFは売買のたびに証券会社の取引手数料(多くは無料化済み)と、買値・売値のスプレッドがかかります。投資信託は購入時手数料(ノーロード型は無料)のみで余分なコストが発生しません。

コストだけで比べると差は小さく、「自動積立が楽か」「配当を手元で受け取りたいか」の目的で選ぶほうが実態に合っています。

NISAのつみたて投資枠でETFはどこまで買える?

つみたて投資枠で購入できるETFは、金融庁が指定した一部の上場投資信託に限られます。日本の証券取引所に上場しているETF(日本版ETF)のうち条件を満たすものが対象で、SPYD・HDVなどの米国市場上場ETFは購入できません。米国ETFはNISAの成長投資枠(年240万円)を使って購入します。

初心者はETFと投資信託のどちらから始めるべき?

毎月の積み立てを自動化したい・少額から始めたいなら、投資信託(インデックスファンド)を先に始めるほうが続けやすいと感じています。私も最初は旧NISA・特定口座で高配当株から入り、インデックス投信の積み立ては40代中盤からです。ETFは「配当金を手元で受け取る感覚を体験したい」「成長投資枠を高配当ETFで使いたい」と思ってから追加するという順番が、個人的には自然でした。


投資の目的に合わせて選ぶイラスト

まとめ

  • ETFと投資信託の違いは主に3点:売買タイミング(リアルタイムか1日1回か)・分配金の扱い(受け取りのみか再投資型を選べるか)・最低購入単位
  • 私のNISAの使い分け:成長投資枠=日本個別高配当株メイン+米国ETF(SPYD・HDV)をサテライト(高配当株の約1割)、つみたて投資枠=eMAXIS Slim(自動積立・放置)
  • 9年使った正直な評価:米国ETFは二重課税(米国側10%はNISAでも回避不可)があるためサテライト止まり。日本個別株がNISAと最も相性がよく、配当収入の主軸になっている
  • どちらを選ぶかの判断軸:配当収入を積み上げるなら日本個別株・楽に積み立てるなら投資信託・外貨分散を少量加えたいなら米国ETFをサテライトで

ETFも投資信託も、道具です。9年かけて私が学んだのは、道具に正解を求めるのをやめた瞬間に、使い方が見えてきたということでした。米国ETFの二重課税を知ってからは、使う場所と比率を意識するようになりました。

9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


本記事は筆者個人の投資経験の記録です。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。