⚠️ 免責事項

本記事は私個人の投資経験の記録です。特定の金融商品への投資を勧誘・助言するものではありません。iDeCoの掛金上限・税制・受取ルールは制度改正により変わる場合があります。最新情報は国税庁・厚生労働省・各金融機関の公式情報をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

節税しながら積み立てるイラスト

iDeCoを始めた理由は、正直「節税できると聞いたから」それだけでした。2019年、投資を始めて2年目。NISAには慣れてきたころ、ネットで「iDeCoは掛金が全額所得控除になる」という情報を見つけ、その言葉の意味を正確に理解する前に動き始めました。

9年間の投資生活で、iDeCoは「静かに働いてくれる仕組み」だと思っています。派手さはない。でも、確実に税金を減らしながら積み上がっている。この記事では、私の体験記録をそのまま書きます。

「複雑そう」「60歳まで引き出せないのが怖い」「NISAと何が違うの?」——始める前の不安は、9年前の私も同じでした。

この記事でわかること

  • SBI証券のiDeCoを2019年から運用している会社員が、プラン選び・掛金の変遷・節税実感を体験から書きます
  • 確定給付型(DB)加入者の掛金上限が月12,000円から月20,000円に引き上げられた制度改正(2024年12月)の内容
  • 新NISAとiDeCoの優先順位と、40代が「iDeCoを後回しにする」理由

📌 iDeCoの記事は、目的別に3本書き分けました(この記事は「全体像と9年の運用実録」)


📋 この記事の数字サマリー

▼図解:iDeCo 9年間の運用サマリー

項目 内容
iDeCo開始時期 2019年(投資開始から2年目)
当初の掛金 月12,000円(確定給付型企業年金があるため上限)
現在の掛金 月20,000円(2024年12月の制度改正後)
運用商品 S&P500連動型インデックスファンド
証券会社 SBI証券(セレクトプラン)
節税の実感 年末調整の控除額に毎年反映されている

始めたきっかけ:節税という言葉に惹かれた

投資を始めた2017年、最初はNISAだけで手一杯でした。高配当株を少しずつ買い集めながら、「これで本当にいいのか」と迷っていた頃。

2019年になって、iDeCoの存在をちゃんと調べ始めました。調べてわかったこと——掛金が全額、所得控除になる。これはNISAの「運用益が非課税」とはまた別の話です。掛けた金額そのものが課税所得から引かれる。年収と税率次第では、毎年数万円単位で税金が戻ってくる計算になります。

私の場合は「使わない手はない」と感じて、SBI証券でiDeCoの口座を開きました。

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iDeCo SBI証券のプラン選び|オリジナルとセレクトの違い

SBI証券でiDeCoを始めようとすると、当時は「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」の2択がありました。

正直に言います。最初、違いがよくわかりませんでした。

簡単に言うと:

  • オリジナルプラン:SBIが以前から提供していたプラン。選べるファンドの数は多いが、低コストの優良ファンドが少ない
  • セレクトプラン:2019年11月にスタートした新プラン。低コスト・高品質なインデックスファンドが揃っている

今から始めるならセレクトプランを選ぶのが自然な答えだと思いますが、当時の私には「どう違うのか」がすぐに判断できなかった。

iDeCoで重要なのは、証券会社によって選べるファンドが決まっているという点です。NISAのように「どこで開いても同じ商品が買える」とはいかない。口座を開く前に「自分が買いたいファンドがそこにあるか」を確認することが、最初の大事なステップです。

プラン選びで迷っているイラスト

私は結局セレクトプランに移行し、現在はS&P500連動型インデックスファンドを毎月積み立てています。NISAの成長投資枠でも高配当株とS&P500連動型インデックスファンドを買っており(地域分散で海外比率を高めるため)、iDeCoもインデックス一本に絞ることでポートフォリオ全体での海外比率向上を意識しています。iDeCoは60歳まで引き出せないので、長期でインデックスに任せるのが自分には合っていると判断しました。


掛金が12,000円から20,000円に変わった

iDeCoには掛金の上限があります。会社員の場合、会社の年金制度の有無によって上限が変わります。

私の会社には企業型DC(確定拠出年金)はなく、確定給付型の企業年金(DB)があります。会社の年金制度の種類によってiDeCoの掛金上限は変わります。自分の会社がDCなのかDBなのか不明な場合は、人事・総務への確認が確実です。

DBの場合、以前の制度では月12,000円が上限でした。ところが2024年12月の制度改正で、確定給付型企業年金(DB)加入者の上限も月20,000円に引き上げられました。

これは実感として大きな変化でした。年間で見ると:

  • 改正前:12,000円 × 12ヶ月 = 144,000円/年の所得控除
  • 改正後:20,000円 × 12ヶ月 = 240,000円/年の所得控除

控除額が約10万円増えた分、税率によっては手取りへの恩恵も増えています。


節税の実感:年末調整で「あ、効いてる」とわかる

iDeCoの節税効果は、年末調整の時に実感できます。

会社員の場合、iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、年末調整の控除欄に反映されます。毎年iDeCoから送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出するだけです。

効果のイメージ:

  • 年収600万円・所得税率20%のケースで月20,000円のiDeCoを掛けると、所得税(20%)と住民税(10%)を合わせて年間約72,000円の節税効果が見込めます(概算。正確な額は国税庁の控除シミュレーターや税理士にご確認ください)
  • これは「毎月の掛金のうち約30%が戻ってくる」感覚

ただし、これは税の繰り延べであって、永遠に非課税というわけではありません。受け取る時に税金がかかります。ここが重要なポイントです。

節税効果を確認しているイラスト

iDeCoのメリットとデメリット、正直に整理する

✅ メリット

① 掛金が全額所得控除 掛けた金額がそのまま課税所得から引かれます。NISAの「運用益が非課税」とは別の節税効果で、2つは重複して使えます。

② 運用益も非課税 NISA同様、運用中の利益に税金がかかりません。複利の恩恵をフルに受けられます。

③ 受取時に退職所得控除・公的年金等控除が使える 一時金として受け取れば退職所得控除、年金として受け取れば公的年金等控除が適用されます。受取方法の設計次第で税負担を大きく変えられます。ただし、退職所得控除の優遇内容は将来の税制改正により縮小・変更される可能性があります。あくまで現行制度を前提とした試算です。

⚠️ デメリット

① 原則60歳まで引き出せない これが最大の制約です。生活防衛資金や急な出費には使えません。「使わなくていいお金」だけ入れるのが鉄則です。

ただし見方を変えれば、「簡単には手を付けられない」からこそ長期間続けられるという面もあります。また、iDeCoの資産は差押禁止財産とされており、万が一自己破産になった場合でも保護される仕組みになっています。

投資前の生活防衛資金と資金準備については40代投資の全体像でまとめています

② 出口戦略が複雑 「いつ・どう受け取るか」で税負担が大きく変わります。一時金・年金・分割の組み合わせ、退職金との兼ね合いなど、受取タイミングの設計は個々の状況によって変わります。

私がやっていることは、年金定期便で将来の年金見込み額を確認し、退職金の試算を会社の総務に問い合わせることです。「受け取る時にどれくらいの収入になるか」をざっくりでも把握しておくと、iDeCoの掛金をいくらにするか・一時金と年金どちらで受け取るかの設計に活きてきます。今から全部決める必要はありませんが、数字を把握しておくことが、余計な課税を避ける第一歩だと感じています。まずは自分でシミュレーションして確認してみる価値があります。ケースによっては税理士への相談が有効なこともありますが、国税庁のシミュレーターや各種iDeCoの試算ツールで自分で試してみることが第一歩です。なお、退職所得控除の優遇内容は将来の税制改正により縮小・変更される可能性があります。現行制度を前提とした設計であることはご留意ください。

③ 手数料がかかる 国民年金基金連合会・信託銀行・運営管理機関それぞれに手数料が発生します。低コスト運営の証券会社(SBI・楽天等)を選ぶことで最小化できます。


私がiDeCoをNISAの後に回した理由

これは個人的な考えです。

新NISAの年間投資枠(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=360万円)を先に活用する。NISAはいつでも引き出せる自由がある。40代はまだ教育費・住宅ローンなど大きな支出が重なりやすい時期なので、流動性を確保しておきたい。

iDeCoは一度拠出したら原則60歳まで引き出せない。NISAがいつでも売却・出金できるのとは、この点で根本的に異なります。この「流動性ゼロ」が、NISAより後回しにする最大の理由です。

その上で、毎月の余力資金でiDeCoに掛ける。所得税・住民税を納めている会社員にとっては、税負担軽減効果が見込める仕組みを使わない理由がない——ただし、60歳まで動かせない資金として割り切れる額で。

▼図解:NISA・iDeCoの優先順位と理由

優先順位 手段 理由
新NISA(つみたて枠) 流動性あり・非課税・まず埋める
新NISA(成長投資枠) 高配当株+インデックス(海外比率向上)の保有場所として活用
iDeCo 余力資金で節税しながら積み立て

これが私の今の配分思想です。NISAとiDeCoは「どちらか一方」ではなく、性質の違う2つの器として併用するのが合理的だと感じています。

NISAとiDeCoの優先順位そのものを、例外的にiDeCoを先にすべきケースも含めて詳しく比較した記事は別にあります。

iDeCoとNISAの優先順位を詳しく比較|例外3ケースも

新NISAでインデックスと高配当株のどちらを選ぶかについては、こちらで詳しく書いています。

新NISAはオルカンと高配当株どっち?9年両方やった40代の結論

新NISA成長投資枠の使い方|40代が「今の自分」か「将来の自分」かで決めた配分術

自分なりの結論が出たイラスト

まとめ:iDeCoを始めるなら知っておきたい4つのこと

① 証券会社選びはファンドで決める 選べるファンドは証券会社によって違う。SBIならセレクトプランで低コストファンドが揃っている。

② 掛金上限は自分の会社の年金制度で変わる 企業型DC(確定拠出年金)か確定給付型(DB)かで上限が違う。DBの場合も上限が異なるため、会社の人事・総務に確認してから始める。

③ 節税効果は年末調整で実感できる 払込証明書を会社に提出するだけ。手間は少ない。

④ 60歳まで使わないお金だけ入れる 資金拘束が絶対条件。生活防衛資金を確保した上で始める。


iDeCoは地味です。派手なリターンは期待できない。でも、確実に税金を減らしながら老後資金を積み上げる仕組みとして、9年使ってきた実感は悪くありません。

「NISAは始めたけど、iDeCoはまだ」という方には、検討する価値があると思っています。

最後に、私が投資を続けながら何度も立ち返る考え方を書いておきます。

新NISAもiDeCoも、投資という行為そのものも、豊かに生きるための手段であって、目的ではありません。

数字を増やすことが目的になると、どこかで無理が出る。私が目指しているのは、資産形成をライフプランの中に自然に組み込むことです。いつ仕事を辞めたいか、老後どう生きたいか、そのために今何をしておくか——その逆算の中にiDeCoがある。

6,000万に届いた日、思ったより何も変わりませんでした。資産は人生の主役じゃない。月12,000円から始めた積み立てが、脇役のまま静かに支えてくれればいい——iDeCoはその思想に一番似合う器だと思っています。

9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


2026年以降の制度改正予定(参考)

  • 2026年12月:iDeCoの拠出上限引き上げ・加入可能年齢が70歳未満に拡大予定
  • 2027年1月:国民年金基金連合会の手数料が月120円に引き上げ予定(現行105円)
    出典:厚生労働省 / 日本経済新聞
    ※2026年6月時点の公表情報です。施行前に内容が変更される場合があります。

本記事はiDeCoの制度・税制について2026年5月時点の情報をもとに個人の体験を記録したものです。制度は改正されることがあります。掛金上限・控除額の計算・受取時の税金については、国税庁・厚生労働省の公式情報または税理士等の専門家にご確認ください。