オルカンに占めるキオクシアの割合は、概算で0.2〜0.4%程度——多く見積もっても全体の1%未満です(2026年6月時点・筆者試算。根拠は本文で示します)。株価がIPOから約75倍・時価総額60兆円と連日ニュースになっていますが、オルカン全体から見れば、まだ「ごく一部」です。

ただ、この「ごく一部」には見逃せない逆転劇があります。日本株はオルカンの約5%しかありません。その5%の枠の中で、時価総額60兆円のキオクシアは最大級の存在——オルカンの日本株の主役が、トヨタからキオクシアへ入れ替わりつつあるのです。あなたの積み立ての中で、それは自動で起きています。

「オルカンって、何の会社の株を買っているんだろう」——積み立てを始めたころ、私はそれがよくわかっていませんでした。正直、中身をわかっていないのに毎月積み立てを続けている、その漠然とした後ろめたさがありました。

調べてわかったのは、年4回、自動的に中身が入れ替わるということでした。2024年に東証プライム上場したキオクシアも、AIブームで急成長したエヌビディアも、自分で判断することなく自動的に取り込まれています。

この記事では、新NISAのつみたて投資枠でeMAXIS Slim 全世界株式を積み立てている私が、実際の構成銘柄と「なぜキオクシアが入っているのか」「なぜエヌビディアの比率が増えたのか」を解説します。

この記事でわかること

  • キオクシアはオルカンの何%か(概算の計算過程つき)
  • オルカンが「全世界株式」と呼ばれる理由と中身の概要
  • 構成銘柄の上位と国別比率(米国が約65%になる背景)
  • キオクシアが組み入れられた仕組みと、株価75倍・急落の乱高下でも何もしなくていい理由
  • エヌビディアの比率が増えた理由
  • 自動リバランスが「ほったらかし投資」を支えるしくみ

全世界株式に分散投資するオルカンの仕組み

オルカンとは何を買っているのか

「オルカン」は全世界株式インデックスファンドの愛称として広く使われており、eMAXIS Slim以外にも楽天・オールカントリーなど複数の商品があります。この記事では、私が実際に新NISAで積み立てているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を中心に解説します。

これは「MSCI ACWI(エムエスシーアイ・オールカントリーワールドインデックス)」という株価指数に連動するよう設計されています。

MSCI ACWIは、先進国23カ国と新興国24カ国の合計47カ国の大型・中型株を対象にした指数です。2025年時点のレポートによると約2,900銘柄が含まれています(最新値は変動します)。

項目 内容
対象指数 MSCI ACWI
対象国 47カ国(先進国23+新興国24)
構成銘柄数 約2,900銘柄(2025年時点・変動あり)
信託報酬 年0.05775%(2023年9月時点。最新は交付目論見書をご確認ください)
購入場所 新NISAつみたて・成長投資枠、iDeCoなど

要するに、世界中の株式市場の上場企業を、時価総額に応じてまとめて買えるファンドです。世界株式の「お弁当パック」とでも言うべきか——自分で具材を選ばなくても、主要企業が時価総額の大きい順に詰まっています。1本積み立てるだけで、日本・米国・欧州・アジアの主要企業に分散投資できます。

インデックス投資そのものの基礎から知りたい方はインデックス投資とは?40代が9年続けてわかった仕組みとオルカンを選ぶ理由も参考にしてください。


オルカンの上位構成銘柄と米国比率

上位構成銘柄は、ほぼ米国IT・半導体だった

オルカンの上位銘柄を並べると、現状ほぼ米国のIT・半導体系大手が占めています。

順位 銘柄名 セクター
1位 Apple 米国 テクノロジー
2位 Microsoft 米国 テクノロジー
3位 NVIDIA 米国 半導体
4位 Amazon 米国 一般消費財・IT
5位 Alphabet(Google) 米国 テクノロジー
6位 Meta 米国 テクノロジー
7位 Tesla 米国 一般消費財
8位 Berkshire Hathaway 米国 金融
9位 TSMC 台湾 半導体
10位 Broadcom 米国 半導体

※三菱UFJアセットマネジメント「マンスリーレポート」(2025年時点)をもとに作成。構成比率・順位は変動します。

上位10銘柄の合計比率はおよそ25%前後。9位のTSMCを除く9銘柄はすべて米国企業です。上位が米国に集中している=国別比率が米国に偏る——これは同じ現象の裏表です。後述する「米国65%」の背景もここにあります。

日本企業としては、トヨタ自動車・ソニーグループ・三菱UFJフィナンシャル・グループなどが含まれています。


キオクシアはオルカンの何%か——概算で0.2〜0.4%

検索でこの記事にたどり着いた方が一番知りたいのは、この数字だと思います。先に結論を書くと、概算で0.2〜0.4%程度、多く見積もっても全体の1%未満です。

正確な組入比率は月次レポートの上位10銘柄にしか公表されないため(キオクシアは全体の上位10位には入りません)、公表されている数字から概算します。計算はシンプルです。

  • キオクシアの時価総額:約50〜60兆円(2026年6月時点。日経報道では6月22日に一時60兆円超・終値ベース59.4兆円)
  • オルカンが連動する全世界株式の時価総額合計:円換算で1京円台(1万兆円超)の規模
  • 60兆円 ÷ 1万数千兆円 ≒ 0.2〜0.4%程度

※浮動株調整(市場で実際に売買できる株式だけを対象にする指数側の調整)により、実際の組入比率はこの概算より小さくなる可能性があります。正確な最新値は三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート・運用報告書でご確認ください。

「なんだ、それだけか」と感じるかもしれません。ただ、視点を変えると印象が変わります。日本株全体でオルカンの約5%。その5%の枠の中で、時価総額60兆円のキオクシアは日本の上場企業で2社目の50兆円超え——つまり、オルカン内の日本株では最大級の存在になっています。全体では0.2〜0.4%でも、日本株という括りの中では、風景を塗り替える規模です。

そして「今は小さい」ことは、「ずっと小さい」ことを意味しません。企業がさらに成長すれば、比率は自動で上がっていきます。かつてオルカン内で存在感の薄かったエヌビディアが、AIブームを経て上位常連になったのがその実例です(後述します)。小さく拾って、育てば自動で増やす——0.2〜0.4%という数字は、この仕組みの入口にすぎません。

💡 ポイント 「株価75倍」という数字だけ見ると大事件ですが、オルカン保有者への実際の影響は「全体の0.2〜0.4%の銘柄が大きく育った」という規模感です。1本の銘柄の急騰・急落がファンド全体を大きく動かすことはない——これが約2,900銘柄に分散していることの実際の意味です。

キオクシアが組み入れられた仕組み

キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ、NAND型フラッシュメモリ大手)は、2024年10月に東証プライム市場に上場しました。IPO時の時価総額は7,000億円規模で、MSCIの組み入れ基準を満たす規模でした。

上場後、MSCIの定期見直し(年4回)を経て、MSCI ACWIの構成銘柄に組み入れられました。これがオルカンにキオクシアが加わった経緯です。

MSCIへの組み入れ基準

MSCI ACWIに組み入れられるには、おおむね以下の基準があります。

  • 時価総額:一定水準以上(スモールキャップは対象外)
  • 流動性:一定の売買高があること
  • 外国人持ち株比率:投資可能な割合が一定以上

キオクシアはこれらの基準を満たし、定期見直しのタイミングで自動的に組み入れられました。

「新規上場した有望企業を、自分でIPOのタイミングに買わなければいけない」——個別株投資ではそういう判断が必要です。しかしオルカンは、基準を満たした銘柄が定期見直しで自動追加される仕組みなので、持っているだけで新興企業の成長も取り込まれます。

💡 ポイント オルカンの「自動組み入れ」は、個別株投資との最大の違いのひとつです。IPOのタイミングに乗り遅れた・判断を誤ったという後悔が生まれにくい。「自分で選ばなくていい」というのは一見消極的に見えますが、長期積み立てでは大きな強みになります。

キオクシア株価75倍と急落15%の6月、私がやったこと

キオクシアの2026年6月は、まさにジェットコースターでした。6月16日に時価総額50兆円を超え、6月22日には株価10万8,700円・一時60兆円超(IPO公開価格1,455円から約75倍)。その翌日の6月23日には一日で15%超の急落——日経平均全体も歴代上位の下げ幅を記録した週です(出典:日経「キオクシアの時価総額、一時60兆円超え」)。

この一週間、オルカンを積み立てている私がやったことは、何もありません。売買の判断も、比率の調整も、ニュースを見て焦ることも不要でした。前のセクションで書いたとおり、キオクシアはオルカン全体の0.2〜0.4%程度。75倍の急騰も15%の急落も、1銘柄の値動きがファンド全体に及ぼす影響は限られていました(もちろん、市場全体が下げる局面では基準価額そのものは下がります)。もし個別株としてキオクシアを持っていたら、あの週の値動きに心を持っていかれていたと思います。個別の急変に、積み立ての手を止めさせない——これが分散の実際の効き目でした。


エヌビディアの比率が増えた理由

NVIDIAは2022年ごろまで、オルカン内での存在感はそれほど大きくありませんでした。しかし2023〜2024年のAIブームを受けて株価が急上昇し、時価総額が世界トップクラスに躍り出ました。

時価総額加重平均の仕組みでは、時価総額が大きくなるほど保有比率が高まります。つまり、NVIDIAがAIで急成長したことで、オルカンを積み立てていた投資家は自動的にNVIDIAの比率が高まっていた、ということになります。

これには良い面とリスクの両面があります。

良い面:急成長した企業の恩恵を、自分で判断せずに自動で享受できる

リスク面:特定の国・セクターへの集中が高まることがある(現状、米国・テクノロジー偏重)

私自身、この米国テクノロジー偏重については「許容できる範囲」と判断しています。米国が引き続き世界最大の株式市場であり、その中で競争に勝ち続けた企業が上位に来る仕組みは、長期的には合理的だと考えているからです。

⚠️ 注意 時価総額加重型の仕組みは、急成長した銘柄の恩恵を自動で受けられる反面、その銘柄が急落した場合の影響も自動的に受けます。NVIDIAの比率が増えたことは、AI株の急落局面では下振れリスクが高まることを意味します。オルカンは分散投資ですが、特定セクターへの集中度が変化することは把握しておく必要があります。


年4回の自動リバランスでほったらかし投資が成立する

自動リバランスが「ほったらかし」を可能にする

オルカンが連動するMSCI ACWIは、年4回(2月・5月・8月・11月)の定期見直しが行われます。

このとき、ファンドの中では以下のことが自動で起きます。

  • 倒産・上場廃止した企業は除外される
  • 新たに基準を満たした企業が組み入れられる(キオクシアのように)
  • 時価総額の変化に応じて各銘柄の比率が更新される(NVIDIAのように)

投資家が何もしなくても、ファンドの中身は常に「世界株式市場の今の構成」を反映し続けます。

個別株投資では、業績が悪化した銘柄を売り、成長株を買い増す判断を自分でし続ける必要があります。オルカンはこの「入れ替え」を自動でやってくれる。だから「ほったらかし投資」という言葉がよく使われます。

注記:定期見直しはMSCIが実施します。ファンド(三菱UFJアセットマネジメント)はその結果に合わせて組み入れ銘柄を変更します。

オルカンの仕組みを3行でまとめると

難しそうに聞こえますが、仕組みはシンプルです。

  1. 世界47カ国の主要企業を時価総額の大きい順に保有する
  2. 時価総額の変化に応じて自動的に比率が変わる
  3. 年4回の定期見直しで、新規上場・倒産・成長を自動で反映する

毎月積み立てるだけで世界の株式市場全体を保有し続けられます。難しい判断は不要です。


国別比率の内訳——米国65%の意味

2025年時点のオルカンの国別比率は、おおよそ以下のとおりです。

比率(概算)
米国 約65%
日本 約5%
英国 約3%
フランス 約3%
カナダ 約3%
その他41カ国(台湾・インド等を含む) 約21%

※三菱UFJアセットマネジメントのマンスリーレポート(2025年時点)をもとに作成。変動します。

「米国が65%もある、それって分散できているの?」という疑問はよく聞きます。

これは、世界全体の株式時価総額に占める米国の割合が約65%であることを反映したものです(出典:MSCI)。世界の株式市場そのものが米国偏重であり、オルカンはその現実を素直に映しています。

「米国65%が多すぎる」と感じる場合は、S&P500との組み合わせや均等分散タイプのファンドも選択肢になります。オルカンとS&P500の違いはオルカンとS&P500どっち?iDeCoとNISAで使い分けた40代の9年の答えで比較しているので参考にしてください。

💡 補足 「米国65%は偏っている」と感じる方もいますが、これは世界の株式市場における米国のシェアを素直に反映した結果です。意図的に米国の割合を下げたい場合は、均等分散型のファンドや地域別のインデックスを組み合わせる方法もあります。ただし、コストや管理の手間とのバランスで判断するのが実用的です。


私がオルカンをNISAで積み立て続ける理由

私のポートフォリオは現在、高配当株(日本個別株・米国ETF)が約80%、インデックス(eMAXIS Slim 全世界株式・S&P500)が約20%です。

60歳に向けて、この比率を50:50に近づけていく方針を持っています。その中心が、新NISAのつみたて投資枠でのインデックス積み立てです。

オルカンを選ぶ理由を正直に言えば、「自分で銘柄を選ばなくていい」という一点が大きいです。

高配当株は自分でスクリーニングして、業績を確認して、配当の安全性を判断して……という手間があります。それが楽しいとも感じていますが、オルカンは毎月積み立てれば、世界中の主要企業を自動的に保有できる。手間なく、低コストで。

キオクシアやエヌビディアを「個別で買うか」と考えたこともありました。でも結局、オルカンを積み立てていれば、そういった企業の成長も自動的に取り込まれます。個別で選び続けるリスクを取らなくていい——それが今の私の選択です。

もうひとつ、私がオルカンを積み立てる大きな理由があります。私のポートフォリオは日本個別株が中心で、全体の大部分が日本経済の動向に連動している状態です。オルカンとS&P500を組み合わせることで、米国・欧州・アジアなど日本以外の市場の成長を取り込み、日本経済偏重のリスクをある程度ヘッジできると考えています。オルカンが全世界への広い分散、S&P500が米国成長の補強——という位置づけで両方を積み立てています。

ただ、これはあくまで私の状況から来る判断です。すでに海外資産が多い方や、米国ETF中心のポートフォリオを持っている方には、別の組み合わせが合うかもしれません。自分のポートフォリオの現状と投資方針に応じて、オルカンをどの程度組み入れるかを考えてみると良いと思います。

インデックスと高配当株の使い分けを詳しく知りたい方はオルカンか高配当株どっち?インデックス投資と9年比較した40代の答えもあわせて読んでみてください。

40歳から始めた私には、銘柄を選び続ける時間より、積み立てを続けられる仕組みのほうが大事でした。


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まとめ

  • キオクシアのオルカン内割合は概算0.2〜0.4%・全体の1%未満(2026年6月時点の筆者試算)。ただし日本株部分では最大級の存在
  • オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)はMSCI ACWIに連動し、47カ国・約2,900銘柄を保有できる(2025年時点)
  • 上位はApple・Microsoft・NVIDIAなど米国大型株
  • キオクシアは2024年10月の東証プライム上場後、MSCIの定期見直しを経て自動組み入れされた
  • 株価75倍・急落15%が同居した2026年6月の乱高下でも、オルカン保有者がやることは何もなかった
  • NVIDIAはAIブームで時価総額が急上昇し、時価総額加重平均の仕組みで比率が自動的に増えた
  • 年4回の自動リバランスにより、倒産・除外・新規組み入れが自動で行われる
  • 米国比率が約65%と高いのは、世界の株式時価総額に占める米国の割合を反映したもの

「どの会社が成長するかわからない」——だからこそ、世界全体に分散するオルカンを積み立てています。個別株とインデックスの両方を持つのが、今の私のスタイルです。

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免責事項:この記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。特定の銘柄・ファンドの取得を推奨するものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。構成銘柄・比率は変動します。投資の判断はご自身の責任でお願いします。本記事の情報は2026年6月時点のものです(キオクシアの割合は概算であり、実際の組入比率は浮動株調整等により異なる場合があります)。