私の結論は「日本の個別株はバリュー株(高配当株)、キャピタルゲインはインデックスに任せる」です。 AIバブルのときにグロース株で眠れなくなるほど痛い目を見て、そう決めました。

バリュー株とグロース株、どちらを選べばいいのか迷っていませんか。

40歳から投資を始めて9年間、96銘柄・高配当株中心で運用してきたレイトスターターです。現在の資産は約6,000万円(2026年5月時点)、年間配当は税引後で約120万円(2026年5月時点)。この9年間で、バリュー株とグロース株の「体感温度の違い」を身をもって経験しました。

この記事では次のことがわかります。

  • バリュー株・グロース株の基本的な違いと、それぞれの強み
  • グロース株で眠れなくなった体験と、なぜバリュー株に落ち着いたか
  • 「眠れる投資」を続けるためのポートフォリオの考え方

バリュー株とグロース株、何が違うのか

バリュー株とグロース株の違いを整理

まず基本から整理しておきます。

バリュー株とは、企業の実態価値(PER・PBR・配当利回りなどの指標)に対して株価が割安と判断される株のことです。金融・通信・インフラ・商社など成熟した業種に多く、安定した配当を出し続ける企業が中心になります。

グロース株とは、売上や利益の成長率が高い企業の株です。IT・AI・バイオなど新興領域に多く、現時点では配当を出さずに成長へ利益を再投資するスタイルが典型的です。株価は将来への期待値で動くため、業績や市場環境によって大きく振れます。

バリュー株 グロース株
収益の軸 配当(インカムゲイン) 値上がり(キャピタルゲイン)
株価の動き 比較的安定 大きく振れやすい
代表的な業種 金融・通信・インフラ・商社 IT・AI・バイオ・新興サービス
向いている人 安定・長期保有重視 値上がり期待・リスク許容度高め

グロース株の強みも正直に言っておく

公平のために書いておきます。グロース株には、バリュー株にはない大きな強みがあります。

  • 資産を短期間で大きく増やせる可能性:成長期待の高い銘柄は数年で株価が数倍になるケースもある
  • 時代の成長テーマに直接乗れる:AI・再生可能エネルギーなど市場が注目する波を取り込める
  • 成長ストーリーが完成する前に仕込める:そのぶん上昇余地が大きい

大きな資産形成を短期間で目指すなら、バリュー株よりグロース株の方が向いているケースは確かにあります。どちらが優れているということはなく、目的とリスク許容度に合わせて選ぶものです。


AIバブルでグロース株を買って、眠れなくなった

AIバブルのグロース株失敗体験

「バリュー株一本」と決める前に、私はグロース株で失敗を経験しています。

2020年代前半のAIブームのころ、「これは乗り遅れたくない」という気持ちからAI関連のグロース株をいくつか購入しました。最初は順調で、株価はみるみる上がりました。ただ、それは業績の裏付けよりも「期待感による上昇」でした。

ブームに陰りが見えると、株価の下落は速く、上昇した分を超える速さで戻っていきました。最終的に数十万円の損失を出して撤退しました。

しかしそれ以上に消耗したのは精神的なコストです。高配当株なら「株価が下がる=利回りが上がる=買い場」と受け止められます。でもグロース株では「損切りすべきか、まだ待つべきか」という判断がつねにつきまとい、相場が動くたびにスマホを確認し、夜も不安で眠れませんでした。

9年間の失敗の詳細は9年でやらかした4つの失敗談で正直に書いています。

この経験から、個別株でグロース株を買うのは私の性格に合わないとはっきりわかりました。


高配当株を追いかけていたら、いつのまにかバリュー株投資家になっていた

私が高配当株に絞った理由はシンプルです。「配当が毎年入ってくる安心感が欲しかった」からです。

高配当株に求める条件を考えると、こうなります。

  • 安定的に配当を出し続けられる収益基盤がある
  • 株主還元を重視する経営方針がある
  • 業績が極端にぶれない、成熟したビジネスモデルがある

この条件を満たす企業を探すと、自然とバリュー株に行き着きます。 成長への再投資よりも配当による株主還元を優先する企業は、PERやPBRが低い「割安株」に分類されることが多いからです。

私が参考にしている高配当株の選定基準(表面利回り3.7%以上・PER15倍程度・PBR1倍程度・配当性向50%以内など)は、そのままバリュー株の選定基準とほぼ重なります(あくまで私個人の目安です。投資判断の推奨ではありません)。高配当株を選ぼうとすると、自動的にバリュー株投資になっていくイメージです。


グロース株のリスク:値動きが大きすぎて眠れなくなる

グロース株の値動きリスク

グロース株の最大のリスクは、株価の振れ幅の大きさだと思っています。

AI・半導体・バイオなどのテーマ株がわかりやすい例です。ブームのときは期待感と相まって株価が鰻登りになります。しかし、ブームに陰りが見えたり、決算で少し期待を下回っただけで、上昇分を一気に吐き出すことがあります。

バリュー株でも下落はあります。ただ、業績が安定していれば「株価が下がる=利回りが上がる」という心理的な受け止め方ができます。グロース株の下落は「成長ストーリーが崩れたかもしれない」という不安と隣り合わせになりやすく、これが精神的な負荷の差として出てきます。

リスク許容度がそこまで高くない性格だと、値動きが大きすぎる銘柄を持っていると夜に不安になります。 投資は10年・20年の長期戦です。「安心して眠れるか」は、実は重要な判断基準のひとつだと感じています。


バリュー株の強み:値上がりも値下がりも「おいしい」

バリュー株は値下がりが買い場になる強み

バリュー株(高配当株)の面白いところは、相場の上下どちらにもメリットがある点です。

株価が上がった場合 → 保有株の評価額が増える。資産全体が育つ。

株価が下がった場合 → 配当額が変わらなければ利回り(配当÷株価)が上昇する。つまり「より高い利回りで買える買い場」になる。

もちろん業績が悪化して減配・無配になれば話は別です。だからこそ、財務基盤がしっかりした企業を選ぶことが前提になります(選び方については高配当株の選び方で詳しく書いています)。

この「値下がりを買い場として受け止められる」感覚は、コロナ暴落のときに特に実感しました。株価が-40%以上下落したとき、高配当株の利回りが上昇したことで追加投資の判断がしやすかったのです。詳しくはコロナ暴落で-350万円で書いています。


キャピタルゲインはインデックスに任せる

「バリュー株だと大きな値上がりは期待できない」という指摘は、そのとおりだと思っています。

私はこの部分をオルカン(全世界株式インデックス)やS&P500のインデックスファンドで補完しています。

「インデックスも暴落したら同じく眠れないのでは?」という疑問が生まれるかもしれません。ただ、リスクの「質」が違います。

個別グロース株のリスクは「この1社が本当に成長するか」という選定リスクです。外れれば-50%〜-80%の壊滅的な下落もあります。インデックスのリスクは「市場全体が下落する」というリスクです。コロナ暴落でも世界株式は-30%程度で、その後回復しました。世界経済全体がゼロになることは、個別企業がゼロになるより圧倒的に起きにくい。「成長ストーリーが崩れたかも」という個別株特有の不安とは、質が異なります。

個別株でグロース株を選ぶ難しさは「どの1社が本物の成長株か」を見極めることです。インデックスなら、世界中の成長企業に自動的に分散して乗れます。オルカンとS&P500の使い分けについてはオルカンとS&P500どっち?で詳しく書いています。


私のポートフォリオ:現在と60歳に向けた移行計画

2026年現在の構成

現在の私のポートフォリオはおおまかに次の構成です。

種類 比率 役割
日本の高配当株(バリュー株中心) 約80% 安定配当・インカムゲイン
米国インデックス(オルカン・S&P500等) 約20% 成長取り込み・キャピタルゲイン

高配当株96銘柄で年間配当税引後約120万円(2026年5月時点)。インデックスはiDeCoのS&P500連動ファンドと、新NISAのつみたて投資枠で積み立てています。

60歳を目処にインデックスを50%へ引き上げる

ただし、この比率を固定するつもりはありません。60歳くらいを目処に、インデックスの比率を50%程度まで引き上げていきたいと考えています。

時点 個別株(高配当・バリュー株) インデックス
現在(49歳・2026年) 約80% 約20%
目標(60歳ごろ) 約50% 約50%

移行理由は3つの分散を意識しているからです。

① 日本と海外の分散 現在は日本株が中心。インデックスを増やすことで海外(特に米国)への比率が上がり、日本経済リスクへの依存を下げられます。

② バリューとグロースの分散 高配当株はバリュー株が中心。インデックスには世界中の成長企業(グロース)が含まれます。比率を均等に近づけることで、どちらの相場環境にも対応しやすくなります。

③ 現在の利益と将来の利益の分散 高配当株は「今もらえる配当」が強みです。インデックスは「将来の値上がり」が主な収益源。50代・60代と年齢が上がるにつれ、将来の値上がりを待つ時間が短くなるため、今のうちにインデックスを積み上げておく意味があります。

インデックスの比率を急いで増やすのではなく、新NISAのつみたて投資枠での積立を継続しながら、自然と比率が上がっていくイメージです。


バリュー株とグロース株、どっちを選ぶべきか【40代の判断基準】

どちらが正解かは、年齢・家族構成・リスク許容度・投資の目的によって変わります。

40代という年齢は、まだ10〜20年の投資期間が取れる一方で、老後が見え始めてくる時期でもあります。「大きく増やしたい」「でも大きく減らしたくない」という両方の欲求が出やすいのが40代の特徴です。

バリュー株(高配当株)が向いているかもしれない人

  • 毎年の配当収入を積み上げていきたい
  • 値動きが大きいと不安になる
  • 長期保有・ほったらかしがしたい
  • 守りながら増やしたいフェーズにある

グロース株が向いているかもしれない人

  • リスクを取っても資産を大きく増やしたい
  • 業績や市場動向を自分で調べる時間と意欲がある
  • 値下がりしても動じない精神的な余裕がある
  • 投資期間をまだ長くとれる

私の選択は「バリュー株+インデックス」ですが、これが万人に正解とは思っていません。大きな資産形成を目指す場合は、グロース株や成長性の高い個別銘柄を組み合わせる戦略の方が合っている人もいると思います。

大切なのは、自分が安心して続けられるかどうかです。どんなに理論上優れた手法でも、途中でやめてしまったら意味がありません。


まとめ

  • バリュー株は割安・配当重視・安定向き。グロース株は成長期待・値上がり狙い・振れ幅大
  • グロース株には「短期間で大きく増やせる可能性」という強みがあるが、値動きの大きさと精神的な負荷もある
  • 高配当株を選ぶ基準を突き詰めると、自然とバリュー株中心のポートフォリオになる
  • バリュー株は値上がりでも値下がりでもそれぞれにメリットがある(利回り変化)
  • キャピタルゲインを求めるなら、個別グロース株よりインデックスの方が「リスクの質」を扱いやすい
  • どちらを選ぶかは「自分のリスク許容度と、安心して続けられるか」で決める

AIバブルの失敗で学んだのは、「乗り遅れたくない」という感情が投資判断を狂わせるということです。9年続けてわかったのは、自分の性格に合った手法を選んで淡々と続けることが、一番の近道だということでした。

あなたは今、夜に安心して眠れるポートフォリオを持っていますか。

40歳・レイトスタートから6,000万円に届いた9年間の全記録


【免責事項】本記事は個人の投資記録・体験談です。運営者は金融商品取引業の登録を受けておらず、投資助言業者ではありません。特定の銘柄・手法への投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。