本記事は私個人の保険見直し経験に基づく記録です。保険の解約・変更は個人の状況によって影響が大きく異なります。判断はご自身でしっかり調べたうえで行うことが重要です。なお、保険代理店や無料FP相談は保険販売から報酬を得るビジネスモデルのため、中立な情報源とは言えない場合があります。
社会保険を調べたら、毎月6,000円が浮いた
公的保険(社会保険)の内容を調べたところ、私の場合は民間の生命保険と貯蓄型保険を解約できると判断しました。結果として月6,000円、年間72,000円の支出が減り、その分をNISAに回せています。
「人生をぼんやり生きてきた自分を、このまま続けていいのか」——40歳で投資を始めたとき、そう思ったのです。
お金のことだけでなく、毎月何に払っているかも含めて、ひとつひとつ確認し直しました。保険の見直しは、そのなかで出てきた課題のひとつです。40代になってから保険を見直したいと感じている方に、私の体験をそのまま書きます。
この記事でわかること
- 社会保険(協会けんぽ・厚生年金)でカバーされている主な保障の内容
- 私が生命保険と貯蓄型保険を見直した経緯と、10年以上入り続けた理由
- 貯蓄型保険を解約するときの「損確定の壁」とその乗り越え方
- 月6,000円削減後に何が変わったか
もし明日働けなくなったら、いくら入ってくるか知っていますか

保険の見直しを考えるときに、まず把握しておきたいのが「公的保険で何が守られているか」です。サラリーマンが加入している健康保険・厚生年金には、意外と手厚い保障が含まれています。私が調べた主な3つを紹介します。
傷病手当金:働けなくなっても給与の3分の2が続く
病気やケガで連続して4日以上仕事を休んだ場合、協会けんぽ(全国健康保険協会)の傷病手当金が支給されます。
支給額の目安は、給与の約3分の2(正確には「標準報酬日額の3分の2」)。支給期間は最長で通算1年6ヶ月です。
⚠️ 注意 傷病手当金は在職中に健康保険に加入していることが前提です。退職後は原則として対象外となる点に注意が必要です(退職後も一定期間受け取れるケースはありますが、条件があります)。「会社員という立場に紐づいた保障」として理解しておくことが大切だと感じました。
💡 ポイント:傷病手当金があれば就業不能保険は必要か 傷病手当金の存在を知るまで、私は「病気になったら収入がゼロになる」と漠然と思っていました。月給の3分の2が通算1年6ヶ月続くと知り、民間の就業不能保険が本当に必要かを立ち止まって考えるきっかけになりました。必要かどうかは個人の状況次第ですが、「あることを知ったうえで判断する」と「知らないまま払い続ける」では大きく違います。
詳細な計算方法や申請手続きは、全国健康保険協会の公式ページ(協会けんぽ:傷病手当金)でご確認ください。
高額療養費制度:医療費の自己負担に上限がある
病気や手術で医療費が高額になっても、1ヶ月の自己負担額には上限(所得区分によって異なる)が設定されています。これが高額療養費制度です。
たとえば年収500万円前後の会社員の場合、1ヶ月の自己負担の上限はおよそ8〜9万円程度になることが多いとされています(所得区分によって異なります)。
⚠️ 注意 高額療養費制度の自己負担上限額は所得区分(標準報酬月額)によって変わります。「区分ウ」「区分エ」など複数のケースがあり、私の記事で紹介できるのはあくまで参考値です。正確な計算は厚生労働省の公式情報(厚生労働省:高額療養費制度)をご確認ください。
なお「入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療は対象外」とよく言われますが、食事代は入院していなくても日常的にかかるものですし、先進医療が実際に必要になるケースは統計的に非常にまれです。「対象外だから民間保険が必要」と短絡的に判断するのではなく、現実の頻度と費用感をきちんと照らし合わせて考えることが重要だと感じました。
遺族厚生年金:万一の場合、遺族に年金が支給される
被保険者が亡くなった場合、一定の要件を満たす遺族(配偶者・子など)に遺族厚生年金が支給されます。
金額は厚生年金の報酬比例部分の4分の3が目安ですが、加入期間や報酬額によって大きく変わります。詳細は日本年金機構の公式ページ(日本年金機構:身近な方が亡くなったとき)をご参照ください。
💡 補足 私は現在一人暮らしで扶養している家族がいません。遺族に対して手厚い保障を準備する必要性が低いという判断も、生命保険の解約につながった個人的な事情のひとつです。家族構成によって必要な保障は大きく変わります。
社会保険でカバーできる範囲を知ったら、民間保険の整理ができた

傷病手当金・高額療養費・遺族厚生年金の存在を調べていくうちに、自分がいかに「何も考えずに保険に入っていたか」が見えてきました。過去の自分に「バカたれ!」と言ってやりたいくらいです。
生命保険:勤め先に勧められ、何となく入り続けていた
職場の団体保険の一種で、勤め先の担当者から勧められて加入した生命保険がありました。毎月給与から天引きされているのは知っていましたが、「保障の内容」を自分で確認したことは、加入してから一度もありませんでした。
保障内容を初めてきちんと確認したのは、傷病手当金を調べるより後でした。「なぜこれに入っているのか」と聞かれても、「勧められたから」としか答えられなかった。それが正直なところです。
一人暮らしで扶養家族もいない状況で、万一の際に手厚い死亡保障が必要かどうかをあらためて考えたとき、答えは「おそらく不要」でした。
貯蓄型保険:解約返戻金があると思って入り続けていた
もうひとつは貯蓄型の保険です。保険料の一部が積み立てられ、将来解約返戻金として戻ってくるという説明で加入しました。
問題は、10年以上入り続けてから解約試算をしてみたところ、元本割れしていたことです。「損をしたくない」という気持ちが、さらに長く加入し続ける理由になっていました。
⚠️ 注意 保険の解約返戻金の試算は、必ず証券(保険証書)に記載された「解約返戻金試算表」または保険会社への問い合わせで正確な金額を確認してください。私の体験はあくまで個人のケースです。
貯蓄型保険をやめるときの「損確定の壁」

貯蓄型保険を解約するときに一番迷ったのは、「元本割れのまま解約すること=損を確定させること」への心理的な抵抗でした。
「もう少し続けていれば元本に近づくかもしれない」——そう思って、入り続けていた期間が10年以上あります。今振り返ると、これは典型的な「サンクコスト(埋没費用)の罠」でした。
すでに払ってきた保険料は、解約しようとしまいと戻ってきません。問題は「今後の掛け金をこの保険に払い続けるのが得か、解約して別の使い方をするのが得か」だけです。
💡 ポイント 「損が確定するのが嫌だ」という感情は自然なものだと思っています。ただ、ずるずると続けるほど、払い続ける保険料の総額は増えていきます。私の場合は「これ以上引き延ばすほうが長期的な損だ」と判断したときに、踏ん切りがつきました。
そもそも、無駄な民間保険や貯蓄型保険に最初から入らないことが理想です。そのためには知識で予防線を張ること——公的保険の内容を先に理解しておくことが根本的な対策だと感じています。すでに入っている場合は、早めに決断することがポイントです。元本に近づくまで待ち続けるより、解約後の資金をどう活用するかに目を向ける方が、長期的には意味があると考えました。
月6,000円削減で何が変わったか
生命保険と貯蓄型保険の2つを解約した結果、毎月の保険料負担が合計で6,000円減りました。年間換算で72,000円です。
加えて、貯蓄型保険の解約時には解約返戻金が手元に入りました(元本割れのため、払込額よりは少ない金額です)。
この解約返戻金と、毎月浮いた6,000円をNISAの積立に追加しました。金額としては大きくないかもしれませんが、方向性が変わりました。「保険会社に払い続けていたお金」が「自分の資産形成に入る流れ」になったわけです。
→ NISAを使った資産形成の9年間の記録:40代のNISA完全ガイド(7記事まとめ)
💡 補足 月6,000円の削減は、9年間の資産形成全体から見れば小さな数字です。ただ、「見直す前の自分が、保障内容も加入理由も把握できていなかった」という事実の方が、私には大きな問題でした。知らないまま払い続けていたことへの反省が、この見直しの一番の収穫だと思っています。
投資余力が月6,000円増えただけでも、NISA口座に複利で積み上がっていけば、数年後の差は小さくありません。「毎月の削減分が投資に回る仕組みを作る」という意識の変化が、このとき得られた実感です。
40歳まで気づかなかった理由は「知らなかった」だけだった
今振り返ると、40歳になるまでこの見直しをしなかった理由は単純です。公的保険の内容を知らなかったからです。
投資を始めるまで、保険の中身を調べようとしたことが一度もありませんでした。毎月の支払いも「なんとなく必要なもの」として続けていた。傷病手当金・高額療養費・遺族厚生年金の仕組みを20代・30代のうちに把握していれば、もっと早く同じ判断ができていたと思います。
保険を「損か得か」で判断してはいけない、と今は理解しています。保険の本質は**「確率は低いが、起きたときの損失が大きいリスクに備えるもの」**です。この考え方を知らないと、必要のない保険に入り続けたり、元本割れを恐れて貯蓄型保険を解約できなくなります。公的保険でカバーされる範囲を把握したうえで、民間保険で何を補うかを考える——この順番が、私には欠けていました。
私が保険について学んだのは、リベラルアーツ大学(リベ大)のYouTube動画と、両学長の著書「お金の大学」がきっかけでした。保険の仕組みや「確率小×損失大」の考え方を体系的に学ぶには、これらが非常にわかりやすいと感じています。
その後、自分でやったことは以下の2つでした。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイトで傷病手当金の計算シミュレーションを確認する
- 現在加入している保険の証書を取り出し、保障内容・解約返戻金試算を自分で確認する
保険の解約・変更は個人の状況に大きく依存します。「私もやめました」という体験を参考にしつつ、判断はご自身でしっかり調べて行ってください。なお、無料FP相談や保険代理店は一般論として新契約のほうが収益につながりやすい構造のため、提案の方向性が偏る場合があります。タダより高いものはない、と私は実感しています。中立な情報収集には公的機関の資料(協会けんぽ・厚生労働省・日本年金機構)を一次情報として活用するのが出発点だと思います。
まとめ

- 公的保険(協会けんぽ・厚生年金)には傷病手当金・高額療養費・遺族厚生年金という手厚い保障がある
- 私は保障内容も加入理由も把握しないまま10年以上、生命保険と貯蓄型保険を払い続けていた
- 貯蓄型保険は元本割れでも「損を確定させたくない」という気持ちで解約を先延ばしにしやすい。早めの判断がポイントだと感じている
- 解約後、月6,000円・年間72,000円の削減分をNISAに回した。投資余力が増える方向に流れが変わった
- 公的保険の内容を把握することが、必要な民間保険を見極める出発点になる
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
→ 給与から天引きされている税金を減らす方法:サラリーマン9年で実感したiDeCo・ふるさと納税・NISAの効果
→ 投資に回す前に手元に残すお金の考え方:40代の生活防衛資金はいくら?
本記事は私個人の投資・保険見直し経験に基づく記録です。記事内の公的保険制度の内容・金額は2026年6月時点の情報であり、法改正や個人の状況により異なります。保険の解約・変更は個人の健康状態・家族構成・収入等により適切な対応が変わります。判断はご自身でしっかり調べたうえで行ってください。特定の保険商品の加入・解約を推奨するものではありません。なお、保険代理店や無料FP相談は販売側の利害がある場合があるため、公的機関の資料(協会けんぽ・厚生労働省・日本年金機構)を一次情報として活用することをおすすめしています。
