本記事は私個人の投資・節税経験に基づく記録です。税制は個人の状況・年収・家族構成等により異なります。具体的な節税方法の判断は税理士等の専門家にご相談ください。

昇給を待つより先にやることがあった

節税のヒント

給料より先に、税金対策をやっておけばよかった——今はそう思っています。この9年で、税金が減った分だけ使えるお金が増えていきました。

「給料が上がらない」「手取りが増えない」——40代のサラリーマンなら一度は感じたことがある悩みではないでしょうか。転職・副業・昇格を目指すのは当然ですが、その前に、仕組みとして使えるものがあります。

私は40歳から投資を始め、順次この3つを組み合わせてきました(iDeCoは42歳・2019年から、ふるさと納税・NISAも並行して活用)。特別なスキルも資格も不要です。ただ「仕組みを使う」だけで、税負担が変わり、使えるお金と資産に変化が出ました。

この記事でわかること

  • iDeCo・ふるさと納税・NISAがどう節税につながるか
  • 9年間で実際に感じた効果と使ってきた数字
  • 3つを組み合わせたときの全体像
  • 注意すべき落とし穴

40代サラリーマン(会社員)が使える節税の仕組み

まず前提として、サラリーマンが給与から引かれているお金には主に3種類あります。

種類 内容 この記事で節税できるか
所得税 年収・各種控除に応じて変わる国税。課税所得が高いほど税率が上がる(累進課税) ✅ できる
住民税 前年の所得に対してかかる地方税。おおむね一律10% ✅ できる
社会保険料 健康保険・厚生年金など。標準報酬月額をもとに決まる ❌ この記事では扱わない

この記事で扱う「節税」は、所得税・住民税への対策と、運用益・配当への課税回避です。社会保険料を減らす方法は別の仕組みになるため、ここでは対象外としています。

サラリーマンの税金は会社が計算・源泉徴収してくれますが、自分で手続きをすることで所得税・住民税の負担を減らせる仕組みがあります。

大きく3種類に分けられます。

種類 対象の控除 仕組み 代表的な手法 節税が反映されるタイミング
所得控除型 小規模企業共済等掛金控除 課税所得を減らして税金の計算ベースを下げる iDeCo 掛金を出した年の年末調整で所得税が還付。住民税は翌年6月以降に減額
税額控除型 寄附金税額控除 計算された税金から直接差し引く ふるさと納税 寄付した翌年の住民税から控除(ワンストップ特例の場合。確定申告なら所得税還付も)
非課税型 (控除ではなく非課税口座) 運用益・配当に税金がかからない NISA 配当入金・売却益が発生したその都度、税金を引かれずにそのまま手元に入る

補足しておくと、iDeCoとふるさと納税は「一度税金として計算された後に戻ってくる・減らされる」仕組みです。NISAは最初から課税されない口座なので、性質が異なります。また、iDeCoは所得税が年末調整で精算され、住民税の恩恵は翌年6月以降の給与天引きで実感できます。ふるさと納税のワンストップ特例を使うと確定申告なしで翌年住民税が自動的に減額されます。

この3つを組み合わせることで、サラリーマンでも税負担を減らせます。


① iDeCo——給与から天引き前に税金を減らす

iDeCoで老後資金を積み立てるイメージ

なぜ節税になるのか

iDeCoの掛金は「所得控除」になります。給与から税金が計算される前に、掛金の分だけ課税所得が減るため、毎年の所得税・住民税が少なくなります。

私の場合

2019年(42歳)に始めました。当時は確定給付型企業年金(DB)に加入していたため、上限は月12,000円(年144,000円)でした。

2024年12月の制度改正でDB加入者の上限が引き上げられ、現在は月20,000円(年240,000円)で運用しています。

詳細は40代からiDeCoは遅い?今から始める42歳の私の判断と始め方3ステップにまとめています。

節税効果の目安

所得税率20%の場合(課税所得が330〜695万円の方)、月2万円のiDeCo掛金での節税効果は、所得税と住民税(一律10%)を合わせて年間**約72,000円(約7.2万円)**の試算になります。

月掛金 年間掛金 節税効果の目安(所得税率20%+住民税10%の場合)
月12,000円 144,000円 約43,200円/年
月20,000円 240,000円 約72,000円/年

※ 所得税率・住民税率は年収・各種控除・お住まいの自治体によって異なります。あくまで試算の参考値です。

給与の手取り額が変わらなくても、毎年6〜7万円分の税金が減りました(私の場合)。これが積み重なると、じわじわと体感できるようになります。

注意点

iDeCoは60歳まで原則引き出せません。老後の資金として確実に使う分だけを掛金に設定するのが基本です。手元に現金がない状態で始めるのはリスクがあります。生活防衛資金を先に確保してから始めることを勧めます。


② ふるさと納税——払う税金の使い道を「選ぶ」

ふるさと納税の返礼品イメージ

なぜ節税になるのか

ふるさと納税は「自治体に税金を前払いすると、返礼品がもらえる」仕組みです。納めた金額から自己負担2,000円を引いた分が、翌年の住民税・所得税から控除されます。

厳密には「節税」より「税金の先払い+返礼品」に近いですが、実質的な手出しは2,000円だけです。自己負担2,000円を超えない範囲で利用すれば、実質的に得になります。

私の場合

9年間継続しています。ワンストップ特例制度を使っているため確定申告は不要です(1年に寄付する自治体が5ヶ所以内の方が対象)。

年間の上限額は収入に応じて変わります。私の場合、各ふるさと納税サイトのシミュレーションで確認すると年間上限138,000円です。実質2,000円の自己負担で、この金額分の税金が控除される計算です。

返礼品でこれまでもらったなかでは、掃除機とドライヤーが特に実用的でした。日用品を返礼品でカバーできると、生活費の節約にもなります。収入が上がるにつれて上限額も少しずつ増えてきた実感があります。

詳細はふるさと納税は40代が得?仕組み・ワンストップ特例を9年実践からにまとめています。

注意点

上限を超えると自己負担が増えます。 上限額は年収・家族構成・各種控除によって変わるため、各ふるさと納税サイトのシミュレーターで毎年確認することが大切です。また、ワンストップ特例は確定申告をしない方向けの制度です。医療費控除などで確定申告をする場合はふるさと納税分も申告が必要になります。


③ NISA——運用益・配当に税金をかけない

NISAで資産が育つイメージ

なぜ節税になるのか

通常、株式投資の配当や売却益には**20.315%**の税金がかかります。NISAを使うと、この税金がゼロになります。

「節税」というより「非課税」という表現が正確ですが、効果は実質同じです。投資額が増えるほど、課税されない分の差が広がります。

私の場合

2024年から新NISAの年間枠(360万円)をフル活用しています。

現在の年間配当(税引後)は120万円です。このうちNISA口座で保有している分の配当は非課税のため、特定口座で持った場合と比べて20.315%分がそのまま手元に残ります。

たとえば配当10万円なら、特定口座では約2万円が税金として引かれます。NISA口座では10万円がそのまま入金されます。この差が毎年積み重なります。

NISAと高配当株の組み合わせについては新NISAで高配当株を買うと配当金が非課税にまとめています。

注意点

NISAは投資です。税金がかからなくても、元本割れのリスクがあります。「節税になるから」という理由だけで投資する商品を選ぶのは本末転倒です。何を買うかより、続けられる仕組みを選ぶことが大切です。


3つを組み合わせると何が変わるか

3つは「競合」しません。それぞれ別の仕組みで動くため、同時に使えます。

手法 効果が出る場所 私の場合(参考)
iDeCo 毎年の所得税・住民税を減らす 月2万円・年約72,000円(所得税率20%+住民税10%試算)
ふるさと納税 翌年の税金から控除される 年上限138,000円(実質2,000円負担)
NISA 配当・売却益が非課税 NISA枠の配当が20.315%課税されない

私はiDeCoを2019年に始め、ふるさと納税・NISAも並行して活用しています。単体では小さく見えても、組み合わせると、毎年の税負担が減り、使えるお金に一定の効果が出てきます。

なお「iDeCoとNISAはどちらを先に使うべきか」についてはiDeCo vs NISA|40代はどっちを優先すべきかで詳しくまとめています。


節税より先にやることがある

土台を作ってから育てるイメージ

一点、強調しておきたいことがあります。

節税は「やると得」ですが、生活防衛資金を先に確保することが大前提です。

iDeCoは60歳まで引き出せません。NISAも投資なので株価が下がる局面があります。手元の現金がない状態で始めると、困ったときに身動きが取れなくなります。

私はコロナ暴落のとき、手元に現預金があったことで株を売らずに済みました。節税・投資を始める前に「すぐ使う予定のない余剰資金」があるかどうかを確認することが、長く続けるための土台になります。


まとめ:昇給の前にできることがある

9年間でわかったことをまとめます。

  • iDeCo:掛金が所得控除になり、毎年の所得税・住民税が減る。60歳まで引き出せない点に注意
  • ふるさと納税:実質2,000円の負担で上限額分の税金が控除され、返礼品がもらえる
  • NISA:運用益・配当が非課税になり、増えた分を丸ごと受け取れる

昇給や転職が難しいと感じるタイミングでも、この3つは今日から始められます。特別なスキルも資格も不要です。

ただし「節税のために投資する」ではなく、「投資をするなら節税の仕組みも使う」という順番が大切だと思っています。

昇給は会社が決めます。でも、税金をどう扱うかは、今日から自分で決められました。

9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


【免責事項】本記事は個人の投資・節税経験に基づく記録です。税制は個人の状況・年収・家族構成等により大きく異なります。掲載内容は作成時点の情報であり、制度変更等により内容が変わる場合があります。特定の金融商品・節税手法への投資・実施を推奨するものではありません。具体的な節税方法の判断は税理士等の専門家にご相談ください。投資はご自身の判断と責任で行ってください。