個人株主数は延べ9,198万人で過去最多——ただしこれは延べ人数で、実際の人数(名寄せ後)は約1,600万人です。前年度から839万人増え、12年連続の増加です(2026年3月末基準・全国の証券取引所による株式分布状況調査)。

「9,198万人? 日本人のほとんどが株主?」と思った方、そこには数字のからくりがあります。延べ人数とは、同じ人が10銘柄持っていれば10人分と数える方式のことです。

そして、90銘柄超の日本株を保有している私は、この9,198万人のうち一人で約90人分としてカウントされている計算になります。この記事では、9年間「数えられる側」にいる株主として、この数字の正しい読み方と、株主が増えて実際に何が変わったのかを書きます。

個人株主数の統計データを確認するイラスト

この記事でわかること

  • 個人株主数9,198万人という数字の出どころと正しい読み方(延べ人数と実人数の違い)
  • 12年連続で増加している背景(株高・新NISA・株式分割)
  • 90銘柄超を持つ株主が「数えられる側」から見た、この9年の変化
  • 「株主になる」ことと「口座を開く」ことの違い

個人株主数9,198万人とは何の数字か

この数字の出どころは、東京・名古屋・福岡・札幌の証券取引所が毎年7月に公表する株式分布状況調査です。全国の上場会社の株主名簿を合算し、株式を誰がどれだけ持っているかを集計したもので、2025年度調査は2026年3月末時点の状況を反映しています。

項目 数字
個人株主数(延べ) 9,198万人(過去最多)
前年度からの増加 +839万人
連続増加年数 12年連続(2014年度から)
基準時点 2026年3月末

(出典:日本経済新聞「個人株主、最多の延べ9200万人」日本取引所グループ「株式分布状況調査」

12年前といえば2014年——NISA制度が始まった年です。個人株主数の連続増加は、ほぼNISAの歴史と重なっています。

「延べ人数」のからくり——私一人で約90人分

ここがこの数字の一番読み違えやすいところです。

株式分布状況調査の「個人株主数」は、上場会社ごとの株主名簿を単純に合算しています。つまり、A社とB社の株を持っている人は「2人」と数えられます。10銘柄なら10人分。100銘柄なら100人分です。

私は保有全96銘柄のうち、この調査の対象となる国内株・Jリート91銘柄を高配当株中心に保有しています(残り米国ETF5銘柄は国内上場会社を対象とするこの調査には含まれません。保有銘柄の詳細は→高配当株ポートフォリオ96銘柄)。ということは、この9,198万人という数字の中で、私一人が約90人分を占めている計算になります。

日本証券業協会の集計では、実際の人数(名寄せ後)ベースの個人株主は約1,600万人(2025年3月末時点)とされています(出典:日本証券業協会「個人株主の動向について」)。日本の成人のおよそ6人に1人。「ほとんどの日本人が株主」ではありませんが、それでも決して少数派ではなくなってきました。なお、この名寄せ人数は2025年3月末時点の公表値で、冒頭の延べ9,198万人(2026年3月末基準)とは基準時点が1年ずれています。2026年3月末時点の名寄せ人数はまだ公表されていません。

💡 ポイント 「延べ9,198万人」の増加には、新しく株主になった人だけでなく、すでに株主だった人が保有銘柄数を増やした分も含まれます。分散投資が広がるほど、実人数の増加以上に延べ人数は速く伸びる——この統計は「株主の裾野」と「分散の深まり」の両方を映す数字です。

延べ人数の数え方を説明するイラスト

個人株主数はなぜ12年連続で増えたのか

日経報道などで挙げられている背景は、大きく3つです。

  • 株高の進行:2025年度は日経平均がAI・半導体関連主導で大きく上昇。資産が増える実感が新規参入を後押ししました
  • 新NISAの普及:2024年の制度拡充以降、非課税で個別株を買える成長投資枠が個人の株式保有を広げました
  • 株式分割の広がり:企業が投資単位を引き下げたことで、数万円台から買える有名企業が増え、若い世代や少額から始める人の入口が低くなりました

この3つは、私が2017年に株を買い始めた頃には、どれも今ほど揃っていませんでした。単元100万円超えの銘柄がごろごろあり、非課税枠は年120万円だけ。「株を買う」ことのハードルは、この9年で確実に下がったと感じています。

⚠️ 注意 この調査は2026年3月末が基準です。その後の相場変動(2026年6月の日経平均の乱高下など)は反映されていません。また「株主数の増加」は「株で利益を出した人の増加」を意味しません。統計の数字と個々の運用成果は別物です。

「数えられる側」から見た、この9年の変化

統計の外側で、株主として実感してきた変化を書きます。

株主として9年間の変化を振り返るイラスト

一番わかりやすいのは株主還元の空気です。私が保有する銘柄でも、この数年で増配・株式分割・優待の新設や拡充の発表が明らかに増えました。2026年5月の決算発表シーズンには、保有株の約2割が増配を発表しています(あくまで私個人の保有銘柄での実績にすぎず、統計的な裏付けではありません)。増配や優待拡充が増えた背景には、東証による資本効率改善の要請や企業業績など複数の要因があり、個人株主の増加が直接の原因とは言い切れません。ただ株主として、還元に前向きな空気を年々感じてはいます。

もうひとつは、話題にできる空気です。9年前、私は投資をしていることを周りにほとんど話しませんでした。いまは「NISAで何買ってる?」という会話が職場でも珍しくなくなりつつあります。延べ9,198万人・実人数約1,600万人という規模は、「株主であること」を特別なことではなくしました。

NISA口座数2,700万件。9年前これを始めた私は職場で「変人」だった

「口座を開く」と「株主になる」は少し違う

NISA口座数2,700万件と、個人株主(実人数)約1,600万人。よく似た文脈で語られますが、この2つは別の数字です。

  • 口座数:始める準備をした人の数(未入金・投信のみの人も含む)
  • 株主数:個別の会社の株を実際に保有している人の数

投資信託だけを積み立てている人は、ここでいう「株主」には数えられません(ファンドが株主になるため)。オルカンやS&P500の積立だけでも立派な資産形成ですが、個別株の株主になると、配当・優待・議決権という「会社とのつながり」が直接自分に届くようになります。どちらが上という話ではなく、性質の違いです。

私は9年間、その両方をやってきました。インデックスで世界に分散しながら、個別株の株主として配当を受け取る——株主数の統計に「約90人分」として数えられているのは、私の資産形成のうち後者の部分です。

40代サラリーマンの高配当株ポートフォリオ96銘柄|業種分散と利回り帯を実数公開

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まとめ

  • 個人株主数は延べ9,198万人で過去最多・12年連続増加(2026年3月末基準・株式分布状況調査)
  • ただしこれは延べ人数。同じ人が銘柄ごとに重複して数えられており、実人数は約1,600万人(成人の約6人に1人・2025年3月末時点)
  • 増加の背景は株高・新NISA・株式分割。「株を買うハードル」はこの9年で確実に下がった
  • 株主が増えたことで、増配・優待拡充など株主でいる側の環境も良くなってきたと実感している
  • 口座数と株主数は別の数字。投信の積立と個別株の保有は、どちらが上ではなく性質が違う

9,198万人という数字のうち約90人分は、40歳から株を買い始めた一人のサラリーマンです。この統計は、特別な誰かの記録ではありません。そういう普通の個人が一人ずつ増えた、その積み重ねの数字です。

個人株主の広がりと資産形成のイラスト

9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


本記事は公表統計の紹介と筆者個人の体験の記録であり、特定の銘柄・商品の購入を勧誘するものではありません。統計数値は出典時点のものであり、最新値は日本取引所グループ・日本証券業協会の公式情報をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。