本記事は私個人の投資経験に基づく記録です。特定の金融商品への投資を勧誘・助言するものではありません。NISAの制度内容・非課税枠・投資対象は変更される場合があります。最新情報は金融庁・各金融機関の公式情報をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。

NISAのデメリット3つ——9年間知ったうえで、それでも全力投資しています

NISAのデメリットは3つです——損益通算ができない・損失の繰越控除ができない・非課税枠を損切りで使うともったいない。それを9年間把握したうえで、私は年360万円の枠(旧NISA時代は年120万円・2024年の新NISAから年360万円)をフル活用し続けています。

NISAの記事は「お得」ばかり。私は逆から書きます——まず欠点を3つ、全部。

「デメリットもあるよ」と書かれていても、読み終わると「とはいえNISAをやりましょう」という着地で終わることが多い。私もその結論には同意していますが、「なぜデメリットを知ったうえでもやるのか」をもう少し正直に書けるのではないかと思っていました。9年間の実感から書きます。

この記事でわかること

  • NISAのデメリット3つの仕組みと、具体的にどういう場面で影響が出るか
  • デメリットが問題になるケースと、ならないケース
  • それでも私が年360万円フル活用を続けている理由(年間インカム120万円・うち配当110万円・税引後の実感)

NISAにはデメリットがある。正直に全部書く

NISAのデメリットをきちんと知っておく

「NISAはお得」という情報は溢れています。一方で「NISAのデメリット」は歯切れ悪く書かれていることが多い印象です。

デメリットをきちんと知らないまま使うより、把握したうえで使う方が長続きすると思っています。以下の3点を順番に解説します。

なお、NISAの始め方・何を買うか・1,800万円・満額後といった基本的な使い方は40代のNISA完全ガイド(7記事まとめ)にまとめています。この記事はその補完として「デメリット」に絞って書いています。


デメリット①——損益通算ができない(損して得した分を取り返せない)

仕組みの説明

通常の特定口座では、「A株で100万円の利益、B株で50万円の損失」という場合、利益から損失を差し引いた50万円分だけが課税対象になります(損益通算)。

ところが、NISA口座の損失は特定口座の利益と相殺できません。NISA口座はそもそも非課税扱いなので、損益通算の対象外という制度設計になっています。

具体的にどういう場面で影響が出るか

たとえばこういうケースです。

  • NISA口座でX株が50万円の含み損になった
  • 特定口座ではY株で50万円の利益が出た
  • 特定口座の利益50万円には通常約20.315%の税金がかかる(NISA口座の損失で相殺できない)

つまり、NISA口座で損をしても、特定口座の税金を減らすことには使えません。

⚠️ 注意 これはNISA口座で保有しているにもかかわらず損失が出た場合の話です。特定口座で同様の損失が出た場合は損益通算が使えます。NISA口座を優先して使うと、この選択肢が減るという認識を持っておくことが重要です。

私の場合

高配当株を中心に保有しているため、特定口座での大きな売却益が毎年継続的に出るケースは多くありません。実際のところ、損益通算が「できなくて困った」という経験は現時点では限定的です。ただし、特定口座で積極的に売買するスタイルの方には、この点はより注意が必要だと思っています。


損失が出ても損益通算・繰越控除ができない

デメリット②——繰越控除ができない(今年の損を、来年に持ち越せない)

仕組みの説明

特定口座では、ある年に出た損失を確定申告で申告しておくと、その後3年間にわたって利益と相殺できます(繰越控除)。

NISA口座ではこれができません。NISA口座で損失が出ても、翌年以降の利益と相殺する手段がありません。

これが問題になるケースとならないケース

問題になりやすいケース:

  • 暴落で一度大きく損をし、その後回復したときに利益が出る場面
  • NISA口座の割合が大きく、損失額が大きくなった場合

問題になりにくいケース:

  • 長期保有を前提として、売却の予定がほぼない
  • 高配当株・インデックスファンドを積み立てており、頻繁に売買しない

💡 ポイント 長期保有を前提とした積み立て投資のスタイルでは、「損失を繰り越して将来の利益と相殺する」という操作をそもそも行わないことが多いです。「損益通算・繰越控除が使えないデメリット」は、売買頻度が高いスタイルほど影響が大きくなる傾向があると感じています。


デメリット③——損切りすると、非課税枠が1年ムダになる

仕組みの説明

NISAの非課税枠は、売却すると翌年に復活します(新NISAの仕組み)。ただし、今年売却した分の枠は今年中には復活しません。

つまり、NISA口座で損切りをすると、その分の非課税枠を損失で使い切ってしまうことになります。

具体的なイメージ

成長投資枠(年間240万円)でX株を100万円分購入し、その後下落して80万円に。「損切りして別の銘柄に移したい」と思っても、売却してしまうと100万円分の枠は今年中には使えません。翌年に復活する枠は取得価額ベースの100万円(新NISAは簿価管理のため売却額の80万円ではない)ですが、復活するのはあくまで翌年以降です。今年中の損切り→即再投資は枠の都合上できません。

損切りして再投資するより、保有し続けた方がよいケースが多いということになります。

💡 ポイント このデメリットは「長期保有前提ならば気にしなくて良い」面があります。長く持ち続ける銘柄・ファンドを選ぶ判断が、結果としてこのデメリットを回避することにつながります。逆に「気に入らなければすぐ売り替える」スタイルとNISAの相性は、特定口座に比べてやや悪いと言えると思っています。


それでも私がNISAを年360万円フル活用し続ける理由

デメリットを知ったうえで全力投資を続ける理由

デメリット3点を書きました。それでも私が年360万円(新NISAの年間上限)をフル活用し続けているのは、非課税の恩恵が体感としても数字としても圧倒的に大きかったからです。

20.315%が丸ごと手元に残る

配当や売却益には、通常約20.315%の税金がかかります(所得税15.315%+住民税5%)。

NISA口座ではこれが0%になります。

私の年間インカム(配当+株主優待)は2026年5月時点で約120万円(税引後)、うち配当のみでは**約110万円(税引後)**です。NISAと特定口座の両方で個別株を保有していますが、NISA口座で受け取った配当には税金がかかりません。同じ銘柄を同じ量持っていても、口座によって手取りに差が出る——その積み上がりが9年間で確実に効いてきました。

特定口座の配当には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座分はそのまま手元に残ります。この差が毎年積み重なっていく感覚は、継続して初めて実感できるものでした。

💡 ポイント 「20.315%が丸ごと手元に残る」という感覚は、1年目より3年目・5年目・9年目と続けるほど大きくなります。デメリット(損益通算不可・繰越不可)が問題になるのは特定の条件下ですが、非課税の恩恵は保有期間が長くなるほど確実に積み上がります。

暴落時もNISA口座の配当は非課税のまま入り続けた

2020年のコロナ暴落時、NISA口座で保有していた高配当株の株価は下落しました。ただし、配当は減配になった銘柄を除いて支払われ続け、NISA口座の非課税扱いも変わりませんでした。

「株価が下がっても配当が入り続ける」という体験が、長期保有の軸をぶらさないでいられた理由のひとつです。

損益通算・繰越控除は「使えたらよい」であって「必須」ではなかった

デメリット①②として書いた損益通算・繰越控除は、確かに特定口座には存在する仕組みです。ただ、長期保有・高配当株スタイルで運用している私の9年間では、「これができないせいで明確に損をした」という局面は今のところ経験していません。

もちろん今後どうなるかはわかりません。それでも、「9年間の実感として非課税の恩恵が損益通算不可のデメリットを大きく上回っていた」というのが正直な評価です。


まとめ——「知って使う」が、9年やった私の答えでした

知って使うが9年やった答え

NISAのデメリット(おさらい)

  • 損益通算ができない(NISA口座の損失と特定口座の利益は相殺できない)
  • 損失の繰越控除ができない(特定口座にある3年繰越の仕組みが使えない)
  • 非課税枠を損切りで使うともったいない(枠は翌年復活だが今年は使えない)

この3点はいずれも事実です。無視すべき欠点ではないと思っています。

ただし、「知らずに使う」より「知ったうえで使う」方がずっとよいというのが9年間の結論です。

長期保有・高配当株・インデックス積み立てを軸にするスタイルでは、これらのデメリットが問題になる場面は限られていました。一方で、20.315%が非課税になる恩恵は、9年間にわたって確実に積み上がってきました。

デメリットを把握したうえで自分のスタイルと合うかを判断する——その作業を先にやっておくと、暴落時や含み損が出た時期も「なぜ自分はNISAを使っているか」を軸にして判断できると思っています。私はそう整理したうえで、9年間全力で枠を使い切ってきました。

私のスタイルは高配当株とインデックスの長期保有で、一度買ったら基本的に売りません。損益通算・繰越控除・枠の消費といったデメリットは、頻繁に売買するスタイルで発生しやすいリスクです。そう考えると、NISAのこれらの設計は「個人投資家に長期で持ち続けてほしい」という狙いが込められているのかもしれない——というのが私の個人的な解釈です。これからも長期投資というスタイルを変えず、NISAと仲良く資産形成を続けていきます。


9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話

→ NISAで何を買うかを迷っている方:40代のNISA完全ガイド(7記事まとめ)

→ NISAで高配当株を買う税の優遇について:新NISAで高配当株を買うと配当が非課税

→ インデックスか高配当株かを迷っている方:オルカンと高配当株、9年やった私の使い分け

→ 投資余力を生む保険見直しの体験:40代の保険見直し|社会保険を調べたら月6,000円削れた


本記事は私個人の投資経験に基づく記録です。NISAの制度・税制は変更される場合があり、個人の状況によって最適な選択が異なります。特定の金融商品への投資を勧誘・助言するものではありません。具体的な投資・税務判断はFP(ファイナンシャルプランナー)または税理士等の専門家にご相談のうえ、ご自身の責任で行ってください。