配当金の計算表を自分で作っていた頃、税引前と税引後の差額を見て思わず声が出たことがあります。「こんなに税金で引かれるの? 勘弁して…」と。
それ以来、私はNISA口座に高配当株を入れることを意識してきました。新NISAの成長投資枠で高配当株を買うと、配当金が非課税で受け取れます。
私は40歳から投資を始め、9年間・96銘柄を保有してきました。2026年時点で年間120万円(税引後)の配当を受け取っています。現在の保有構成は特定口座70%・NISA口座30%。この比率になった経緯と、新NISAをどう使っているかを実体験からお伝えします。
※日本株の配当金を非課税で受け取るには、証券口座で**「株式数比例配分方式」**を選択している必要があります。設定が異なると、NISA口座で保有していても課税されるケースがあります。
※本記事は個人の体験・考えに基づくものです。特定の投資を推奨するものではありません。
配当に税金がかからない、それだけで何が変わるのか
通常、株式の配当金には約20.315%の税金がかかります(所得税15.315%+住民税5%)。
たとえば、配当利回り3.7%の株を100万円分購入した場合、年間配当は3.7万円です。
- 特定口座の場合:3.7万円 × 約80% = 約2.95万円(税引後)
- NISA口座の場合:3.7万円 × 100% = 3.7万円(非課税)
1銘柄・100万円投資あたり約7,500円の差が出ます。複数銘柄・複数年になると、この差は無視できない金額になります。
新NISAには2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠(年間120万円):インデックスファンドなどの積立投資向け
- 成長投資枠(年間240万円):個別株・ETFなどの幅広い投資に使える
高配当株の個別銘柄は、成長投資枠で購入できます(つみたて投資枠は対象外)。
成長投資枠で個別株を持つと節税効果は年いくらか
まず身近なスケールで考えてみます。成長投資枠を1年分(240万円)高配当株に投じた場合(利回り4%)。
| 特定口座 | NISA口座 | |
|---|---|---|
| 年間配当(税引前) | 9.6万円 | 9.6万円 |
| 税金(約20.315%) | 約2万円 | 0円 |
| 手取り | 約7.6万円 | 9.6万円 |
年間約2万円の差が生まれます。
成長投資枠の生涯保有限度額(1,200万円・NISA総枠は1,800万円)まで使うとどうなるか(利回り4%)。
| 特定口座 | NISA口座 | |
|---|---|---|
| 年間配当(税引前) | 48万円 | 48万円 |
| 税金(約20.315%) | 約9.7万円 | 0円 |
| 手取り | 約38.3万円 | 48万円 |
仮に利回り4%が維持された場合、10年間で約97万円の差になります。(実際には減配・無配の可能性もあります)
私が配当計算表を見て「こんなに引かれるの?」と感じたのも、この差が積み重なった結果でした。
私の配当実績の詳細はこちらに書いています。
→ 年間配当120万円の内訳|9年で取得利回りを3.7%→6.0%にした記録
特定口座70%・NISA口座30%になった理由
現在、私の高配当株の保有構成は**特定口座70%・NISA口座30%**です。
なぜこの比率になったかというと、旧NISAの仕組みが関係しています。旧NISA(一般NISA)は非課税期間が5年でした。5年経過した銘柄は自動的に特定口座に移管されます。9年間で積み上げてきた銘柄のうち、すでに特定口座に移ったものが多く、それが70%という比率につながっています。
現在のNISA口座の中にも、約1/3は今後特定口座に移る銘柄があります(旧NISAの期限が来るもの)。
そこで2024年の新NISAは、私にとって**「神改正」**でした。成長投資枠もつみたて投資枠も、年限がなくなったのです。一度NISA口座に入れた銘柄をずっと非課税で保有し続けられる。長期保有を前提にしている私には、これほど合った制度はないと感じています。
旧NISAの銘柄を新NISAで買い直さない理由
「旧NISAの銘柄が特定口座に移るなら、新NISAで買い直せばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
私はその予定はありません。
理由は、旧NISAで保有していた銘柄の評価額が購入時よりかなり高くなっているからです。証券口座の画面を開くたびに「プラス○○万円」と表示される。その数字が心の安心感になっています。売って買い直すと、その含み益が実現し、税金が発生します。それよりも、プラス表示を眺めながら長く持ち続けることを選んでいます。
新NISAは主に次の用途で使っています。
- インデックス(オルカン系)の積立:つみたて投資枠・成長投資枠の一部
- 新規銘柄の購入:成長投資枠
- 暴落時の既存銘柄の買い増し:成長投資枠
配当入金の感覚は9年でこう変わった
最初にSBI証券から配当報告書が届いて入金された時は、素直に嬉しかったです。「自分が持っている株から、お金が入ってくる」という体験が初めてだったので。
9年経った今は、正直、毎回の入金をドキドキして確認するほどではなくなりました。ただ、年々増えていく配当額を振り返る時間は、今でも安心感につながっています。
私はRPGゲームが好きなのですが、配当額や評価額のステータスがレベルアップしていく感覚が好きなのかもしれないと思っています。数字が積み上がっていくことに、純粋な充実感を感じる。投資を続ける原動力になっている部分です。
NISA口座の配当が非課税で入ってくることも、その「レベルアップ感」を少し高めてくれています。
新NISAで高配当株を買う3つの注意点
① 配当が非課税でも株価が下がれば損が出る
非課税の恩恵はあくまで配当金に対してのみ。株価が下落すれば評価損が出ます。銘柄選びの重要性は変わりません。
私が銘柄を選ぶ際の基準(財務の健全性・配当性向・長期の増配実績)については、こちらでまとめています。
② NISA口座の損失は他の口座と損益通算できない
特定口座では含み損が出た銘柄の損失を他の利益と相殺できますが、NISA口座の損失は損益通算できません。「売らずに長く持ち続ける」スタイルであれば影響は限られますが、知っておくべき点です。
③ つみたて投資枠では高配当株(個別株)は買えない
個別の高配当株は成長投資枠のみ対象です。つみたて投資枠では購入できません。
新NISAでインデックス投資と高配当株を使い分ける基準
一口に「新NISA」と言っても、成長投資枠の使い道は人それぞれです。
インデックス投資(オルカン等)を優先したい人
- 長期での資産総額の最大化を目指している
- 手間をかけたくない・ほったらかしにしたい
成長投資枠に高配当株が向いている人
- 配当収入を定期的に受け取りたい
- 「入金される」実感を投資継続の原動力にしている
旧NISAの時代は高配当株のみに枠を使っていましたが、新NISAでは個別株もインデックスも同じ成長投資枠で買えるようになりました。これが**「株主フレンドリーな改正」**だと感じている部分です。自分の目的に合わせて柔軟に使い分けられる。
インデックス投資と高配当株の9年間の比較はこちらです。
新NISAの成長投資枠で高配当株を始める3つのステップ
「高配当株をNISAに入れてみたい」という方へ、私がやった順序です。
- 証券口座の「株式数比例配分方式」を確認・設定する(非課税で受け取るための前提条件)
- 少額で1銘柄だけ購入する(利回り3.7%以上・財務健全な企業を基準に)
- 翌四半期に配当を実際に受け取る(「税金が引かれていない」感覚を先に知る)
最初の配当報告書が届く瞬間は、制度を学ぶより体感になります。
まとめ:新NISAと高配当株の組み合わせで変わること
この記事でお伝えしたことをまとめます。
- 新NISAの成長投資枠で高配当株を買うと配当金が非課税になる(通常は約20.315%の税金)
- 節税効果は240万円・利回り4%の場合で年約2万円、上限1,200万円(成長投資枠の生涯保有限度額)まで使うと年約9.7万円
- 配当を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」の設定が必要
- 旧NISAは5年で特定口座に移管されたが、新NISAは年限なし——長期保有前提の投資家には大きな改善
- 私の現在の構成は特定口座70%・NISA口座30%。旧NISA銘柄は買い直さず、評価益のプラス表示を保ちながら長期保有を続けている
「こんなに税金で引かれるの?」と感じた経験がある方には、新NISAの成長投資枠を使う意味は十分にあると思います。
→ 高配当株の選び方をひとつひとつ確かめながら9年で残した7つの基準
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
※この記事は個人の体験・考えに基づくものです。金融商品取引法上の投資助言・勧誘を行うものではありません。特定の銘柄や投資スタイルを推奨するものではなく、投資は自己責任でお願いします。
