「自分、同年代の平均より下かもしれない」——40代でそう感じたことがあれば、まずこの数字を見てほしいです。40代の金融資産は平均944万円・中央値250万円(家計の金融行動に関する世論調査 2024年)。この2つの数字が大きく開いていること自体に、不安を手放すヒントがあります。
申し遅れました。私は40歳から投資を始め、49歳の今は運用資産が約6,000万円になった会社員です。とはいえ、スタート時の貯金は500万円。当時の平均944万円から見れば、決して恵まれた数字ではありませんでした。
この記事では、まず全年代のデータで「金融資産がどう育っていくか」を俯瞰したうえで、40代の実態に絞り込み、最後に私自身の9年間の記録と重ねてお伝えします。遅れているのではなく、まだ途中——そう感じてもらえる記事を目指しています。

全年代で見る:あなたの資産はいつ増え始めるのか
40代の数字を正しく読むには、まず「40代はどの位置にいるのか」を全体像で確認するのが近道です。
下のグラフは、家計の金融行動に関する世論調査(2024年)の二人以上世帯・中央値(全世帯)を年代別に並べたものです。なお、これは同じ時点の世代間比較(横断データ)であり、「60代になれば自動的に増える」ことを示すものではありません。それぞれの世代が積み立てを続けた結果として、後半の数字が大きくなっています。
グラフを見ると、40代から50代は伸びがゆるやかで、60代以降に大きく積み上がっていることがわかります。この60代での跳ね上がりには、60歳前後に一括受け取りとなる退職金の影響が大きいとみられます。50代の350万から60代の875万へのジャンプ(+525万円)は、退職金の計上なしには説明しにくい部分があります。
つまり40代は、まだ結果が数字に出にくい時期です。今の数字が小さくても、それは遅れているのではなく、まだ途中の段階——私はそう捉えています。
40代にズームイン:「平均944万円」の正体
では、40代の数字を細かく見てみましょう。
ここでいう「金融資産」とは、預貯金(いわゆる貯金)に加え、株式・投資信託・保険なども含んだ合計額です。「40代の貯金 中央値」で検索された方も、この数字が実態の目安になります。
下のグラフは、40代の金融資産を「中央値(全世帯)・中央値(保有世帯のみ)・平均値」の3指標で比較したものです。
同じ「40代の金融資産」でも、見る指標によって250万円から944万円まで大きく開きます。整理すると次のとおりです。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 二人以上世帯・平均値(全世帯) | 944万円 |
| 二人以上世帯・中央値(全世帯) | 250万円 |
| 二人以上世帯・中央値(保有世帯のみ) | 520万円 |
| 単身世帯・中央値(全世帯) | 85万円 |
| 金融資産「非保有」の割合 | 約26.8% |
出典:金融広報中央委員会(現・J-FLEC〈金融経済教育推進機構〉)「家計の金融行動に関する世論調査」2024年
一人暮らしの方は、単身世帯の中央値85万円が実態に近い数字です。私も生活は一人で、住宅ローンや教育費がない分「自分一人で備える」という意識が投資を続けるモチベーションになってきました。
「平均944万円・中央値250万円」を鵜呑みにしない方がいい理由
「平均944万円」という数字は、そのまま自分の目標やプレッシャーにしない方がいい。これが私の考えです。

理由は明確です。平均値は一部の高資産世帯に引き上げられ、実態より大きく出やすい。実態に近い中央値は250万円で、差は約700万円。さらに40代の約26.8%は金融資産を保有しておらず、「平均以下」はむしろ多数派に近いのです。
たとえば10人のうち1人が1億円、残り9人が0円だったとすると、平均は1,000万円になります。でも「真ん中の人」は0円です。平均と中央値のズレとは、これと同じ構造で起きています。
私自身、40歳のころに同年代の平均を見て「自分は遅れている」と落ち込んだことがあります。けれど中央値や非保有割合まで知ったとき、見えていたのは数字の一面でしかなかったと気づきました。同じように「投資は40代からでは遅いのでは」と感じている方には、40歳からの投資は遅い?9年前の私が知りたかったことも合わせて読んでいただければと思います。
40歳で私が持っていたのは500万円だった
私が40歳で投資を始めたとき、手元にあった貯金は500万円でした。平均944万円を大きく下回る金額です。

そこから、生活防衛資金として100万円を残し、残り400万円を元手に投資をスタートしました。最初の積立は月3万円程度。決して大きな額ではありません。
「投資元本をどう作るか」で悩んでいる方には、0から始める投資元本の作り方:40歳で500万円を貯めた3つの習慣も参考になるはずです。
9年間の記録:500万円から6,000万円へ
では、私の9年間がどう積み上がったか。数字で見ていただきます。
最初に大切なことをお伝えします。この6,000万円は、投資で稼いだリターンだけの数字ではありません。9年間でコツコツ積み立てた投資元本(記憶ベースで合計2,000万円超)を含んだ合計額です。 相場が良かった時期も重なっており、同じ期間に始めても結果は人それぞれです。この点をふまえてグラフを見てください(※個人の体験。成果を保証するものではありません)。

9年間、毎年順調だったわけではありません。コロナショックで資産が一時的に大きく落ちたとき、「やめた方がいいのか」と迷ったこともあります。それでも売らずに続けられたのは、3つの変数を地道に動かし続けたからだと今は思っています。
- 貯蓄率:給与からの貯蓄率を9年間で50%近くまで高めた
- 投資:月3万円スタートの積立を、現在は月10万円以上まで増やした
- 複利:高配当株とインデックスを長期で保有し続けた(元本の積み上げが収益の大部分です)
この「3つの変数」という考え方を数式で整理したのが40代の資産形成を方程式で考える|3つの変数の動かし方です。
40代の「今の資産額」より「これから何をするか」
40代にとって本当に大事なのは、今いくら持っているかではなく、これから収入・支出・運用をどう動かすかです。

過去の資産額は変えられませんが、これからの行動は自分で選べます。平均944万円に届いていなくても、中央値250万円を下回っていても、スタート地点はスタート地点でしかありません。
もちろん、人によって家計の事情も使える時間も違いますし、投資には元本割れのリスクもあります。だからこそ、他人の平均と比べて落ち込むより、自分の家計で動かせる変数に目を向けるほうが建設的だと、私は考えています。
具体的に「自分はいくら投資すればいいのか」を考えたい方は、40代の投資額は平均いくら?9年間の実額と『自分基準』の作り方で、金額の決め方を整理しています。
まとめ:平均より「自分の現在地と次の一歩」を
最後に、この記事の要点を整理します。
- 全年代で見ると、40代はまだ資産が小さく見える時期。遅れているのではなく、途中
- 40代の金融資産は平均944万円・中央値250万円(家計の金融行動に関する世論調査 2024年)。約26.8%は資産ゼロで、平均以下は珍しくない
- 平均値は高資産世帯に引き上げられるため、実態を知るには中央値まで見るほうがよい
- 私は40歳・貯金500万円という平均以下のスタートだった
- 9年間の資産積み上がりは元本の積み立て+運用の複合結果(元本だけで2,000万円超)。運用だけで増えたわけではない(※個人の体験)
平均と自分を比べて落ち込む時間より、自分の現在地を正しく知り、動かせる変数に手をつける時間のほうが、ずっと価値があります。
次の一歩として、まず自分の「今の金融資産の合計額」を紙に書き出してみてください。 比較対象は他人の平均ではなく、1年前の自分の数字です。そこから投資を始めるか、積立額を増やすかを考える——それがこの記事の先につながる行動です。
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
※本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものであり、特定の金融商品の購入や投資手法を推奨・勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。統計データは記事中に記載の出典(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」2024年)に基づきます。
