「給料は人並みにあるはずなのに、なぜか貯まらない」——もしそう感じているなら、原因はあなたの収入額ではないかもしれません。
40代でお金が貯まるかどうかを最後に分けるのは、年収の高さではなく「収入の何割を残せるか=貯蓄率」でした。収入が高くても貯まらない人と、平均より収入が低くても着実に貯まる人がいる——その差はここに集約されると、9年やってみて感じています。
私は40歳から投資を始め、49歳の今は運用資産が約6,000万円になった会社員です。とはいえ特別な高給取りではなく、40歳のころの貯蓄率は記憶ベースで3割ほど。そこから5割近くまで引き上げたことが、いちばんの分かれ道だったと思っています。
この記事では、「収入→支出→残った分が資産になる」という資産形成の入口から出口までを、国の統計データと私の実体験で一本につなげます。

全年代の年収カーブで見る40代の位置
40代の年収を正しく読むには、まず「人生の中で年収はいつ高くなるのか」を全体像で押さえるのが近道です。
下のグラフは、国税庁「民間給与実態統計調査」2023年(令和5年)の年齢階層別・平均給与(男女計)を並べたものです。
このグラフで読み取れるのは、40代前半は30代後半とほぼ同水準で推移し、40代後半から再び上昇軌道に入るということです。年収のピークは50代前半(約520万円)で、40代はその助走期間にあたります。
逆に言えば、40代は「今後も年収が伸びやすい時期」でもあります。ただし年収が増えても、支出が同じペースで膨らめば手元には残りません。そこで重要になるのが、次に見ていく「支出」と「貯蓄率」です。「投資を始めるのに40代では遅いのでは」と感じている方は、40歳からの投資は遅い?9年前の私が知りたかったことも合わせて読んでみてください。
40代の年収の実態:平均461万〜480万円、ただし幅が大きい
40代の年収を一言でまとめると、男女計で約461万〜480万円が平均です。
国税庁「民間給与実態統計調査」2023年(令和5年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は次のとおりです。
- 40〜44歳:約461万円(男女計)
- 45〜49歳:約480万円(男女計)
ただし、この「平均」を鵜呑みにすると実態を見誤ると感じています。男女別で見ると、男性の40代は約580〜600万円、女性の40代は約300万円前後と、かなりの幅があるからです(同調査)。
私自身も、40代を通して年収が劇的に増えたわけではありませんでした。だからこそ「年収を上げて貯める」だけに賭けるのは現実的でないと早い段階で割り切り、後述する「支出と貯蓄率」のほうに力を入れました。年収が思うように伸びないことに悩んでいる方には、40代で給料が上がらない…それでも資産を増やせた理由で、私が実際にとった考え方をまとめています。
40代の支出の実態:消費支出は月28万〜33万円
収入の次は、出ていくお金=支出です。総務省「家計調査」2023年の勤労者世帯のデータをもとにすると、世帯主が40代の世帯では、消費支出は月28万〜33万円程度が一つの目安になります。
下のグラフは、消費支出の主な内訳のイメージです(家計調査の費目構成をもとにした概算。合計は約30万円)。40代は食費・住居費に加え、教育費が大きく膨らみやすいのが特徴だと感じています。
ここで一つ注意点があります。家計調査の「住居費」は持ち家世帯の修繕費などが中心で、住宅ローンの返済は消費支出に含まれていません。つまり、ローンを抱える40代世帯では、上の内訳に加えてローン返済が別途のしかかるため、実感としての支出はさらに重くなります。
持家世帯は「消費支出+ローン」で貯蓄率を読み違えやすい
住宅金融支援機構「2024年度フラット35利用者調査」によると、住宅ローンの月返済額は物件種別や借入時期により幅があります。
- フラット35利用者の月返済額の目安:約8万〜16万円(物件種別による・40代限定の数値ではありません)
- 持家世帯の消費支出(上グラフ):約30万円
- 実感としての月支出の合計:40万円前後(概算)
数字よりも大事なのは、この「+ローン」分が、まるごと貯蓄率を押し下げる固定費だということ。消費支出だけ見て「うちは平均並み」と思っていても、ローンを足した瞬間に手取りに対する貯蓄余力はかなり変わってきます。だからこそ、収入の多寡より「毎月いくら残せているか」を先に見るべきだと、私は考えています。
「家を買うか、その分を投資に回すか」で迷っている方には、40代の住宅購入vs投資|持ち家とお金、私の考え方で、両方を天秤にかけたときの整理を共有しています。
貯蓄率(黒字率)の実態:「残す割合」が分かれ道
ここまでの収入と支出から、いよいよ「残る分」が決まります。可処分所得から消費支出を引いた残りの割合を、家計調査では黒字率と呼びます。これが貯蓄率の目安として参照されますが、一つ注意点があります。家計調査の「黒字」には住宅ローンの返済分も含まれています。つまり「黒字率30%」の世帯であっても、そのうちの多くがローン返済に消える場合があり、純粋に積み立てた金額とイコールではありません。
総務省「家計調査」2023年の勤労者世帯のデータをもとにすると、40代世帯の黒字率は2割台後半〜3割台前半程度が一つの目安です。ただしこれは平均像で、教育費・住宅ローンの重なる世帯では貯蓄率がぐっと下がることも珍しくありません(世帯構成・年により変動します)。
では、「貯まらない人」と「貯まる人」を分けているのは何か。これが「分かれ道」の本題です。
貯まらない人の構造:
- 給料が上がったら、ちょっといい車・ちょっと広い部屋。気づけば残るお金は前と同じ
- 「今月は使いすぎたけど、ボーナスで取り戻せばいい」——その"あとで"が毎月やってくる
- 収入は増えているのに、残る割合(貯蓄率)はずっと変わらない
貯まる人の構造:
- 昇給分を「先に貯蓄に回す」と決め、生活費は据え置く
- 支出の見直しは「増やす理由」からではなく、「削れる固定費」から始める
- 「残ったら貯める」ではなく「先に残す額を決めてから使う」
逆に言えば、貯蓄率は収入よりコントロールしやすい変数です。年収を上げるのは会社や景気にも左右されますが、固定費を見直して残す割合を増やすのは、今日から自分の判断でできます。「貯金のままにするか、投資に回すか」で迷っている方は、40代の貯金と投資の割合|私が決めた配分の考え方も参考にしてみてください。
私の場合:年収より「残す割合」を動かした9年間
ここまでが統計の話です。最後に、私自身が「収入→支出→貯蓄率」をどう動かしてきたかを共有します。

40歳で投資を始めたころ、私の貯蓄率は記憶ベースで3割ほどでした。そこから固定費を一つずつ見直し、現在は手取りの5割近くを残せるようになりました。その「残した分」を投資に回す仕組みも、少しずつ大きくしていきました。
- 貯蓄率:40歳ごろの約30%から、現在は50%近くまで引き上げた
- 積立額:月3万円程度でスタートした積立を、現在は月10万円以上まで増やした
- 運用:高配当株とインデックスを長期で保有し、配当は税引後で年約120万円まで育った(9年かけた積み上げの結果です)
大切なのは、これが「年収が跳ね上がったから」ではないという点です。年収はほぼ横ばいのまま、収入のうち残す割合を増やし、その余剰を投資に回し続けた。それだけでした。もちろん相場が良かった時期も重なっており、同じことをしても結果は人それぞれです(※個人の体験。成果を保証するものではありません)。
あなたの今の年収がいくらでも、「残す割合」は今日から自分で動かせます。この「収入・支出・運用」の3つをどう組み合わせるかを数式で整理したのが40代の資産形成を方程式で考える|3つの変数の動かし方です。

まとめ:年収より「貯蓄率」を自分の手で動かす
最後に、この記事の要点を整理します。
- 40代の平均年収は男女計で約461万〜480万円(国税庁 民間給与実態統計調査 2023年)。男女・個人差が大きく、平均は実態の幅を均した数字
- 40代世帯の消費支出は月28万〜33万円程度(総務省 家計調査 2023年・概算)。住宅ローン返済は含まれない点に注意
- 勤労者世帯の貯蓄率(黒字率)の目安は2割台後半〜3割台前半程度。世帯構成で大きく変わる
- 「貯まらない人」と「貯まる人」の分かれ道は年収ではなく、昇給と同時に支出を据え置けるかどうか
- 年収はコントロールしにくいが、貯蓄率は今日から自分で動かせる変数
- 私は年収横ばいのまま貯蓄率を約30%から50%近くへ高め、その余剰を投資に回してきた(※個人の体験)
次の一歩として、まず先月の手取りを思い出し、そこから支出を引いてみてください。 出た数字を手取りで割ると、あなたの「今の貯蓄率」が出ます。それが平均より上でも下でも関係ありません。来月、その数字を1ポイントでも上げる——資産形成は、その積み重ねの先にあります。
同年代の金融資産そのものが気になる方は、姉妹記事の40代の金融資産 平均944万・中央値250万の真実も合わせてどうぞ。
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※本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものであり、特定の金融商品の購入や投資手法を推奨・勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。統計データは記事中に記載の出典(国税庁「民間給与実態統計調査」2023年、総務省「家計調査」2023年)に基づき、グラフの一部は費目構成をもとにした概算・イメージです。
