日経平均が最高値でも自分の高配当株が動かないのは、指数を動かしている銘柄と自分が持っている銘柄が「別物」だからです。仕組みを知れば、これは異常ではなく当然のことだとわかります。
2026年6月15日、日経平均の終値は69,317円。7万円台に接近したというニュースが連日流れています。SNSやニュースを見ていると「最高値なのに自分の株が全然上がらない」という声が目につきます。9年間・96銘柄を保有してきた経験から、その理由を整理したいと思います。
(この記事は筆者の個人的な経験・見解をまとめたものです。投資の判断はご自身の責任のもとで行ってください)
この記事でわかること
- 日経平均とTOPIXの計算方法の違い
- なぜ高配当株は日経最高値に連動しないのか
- 40代投資家として指数とどう付き合うか

日経平均とは何か
日経平均(正式名称:日経平均株価・日経225)は、東証プライム市場に上場する銘柄の中から選ばれた225銘柄を対象にした指数です。1950年から算出されており、日本の株式市場を代表する指標として最もよく知られています。
株価の「単純平均」で計算される
日経平均の最大の特徴は、株価(単価)の単純平均をベースにしている点です。
225銘柄の株価を合計し、除数(修正係数)で割って算出します。除数は株式分割や銘柄入れ替えのたびに調整されますが、基本的な構造は「株価の平均」です。
値がさ株が日経平均を動かす
重要なのはここです。株価が高い銘柄(値がさ株)ほど、指数全体に与える影響が大きいのです。
株価が数万円の精密機器や半導体関連の銘柄は、500円台の銘柄より数十倍以上の影響力を指数に持ちます。例えばソフトバンクグループや東京エレクトロンは株価が数万円台に達する値がさ株の代表格で、この2銘柄が動くだけで日経平均の値が大きく変わる日があります。ハイテク・半導体・精密機器といったセクターの値がさ株が大きく動いた日に、日経平均も大きく動きます。
TOPIXとは何か
TOPIX(東証株価指数・Tokyo Stock Price Index)は、東証プライム市場の**全銘柄(約2,000社)**を対象にした指数です。1968年から算出されており、日経平均と並んで日本株市場の主要指標とされています。
時価総額で重みをつける
日経平均との最大の違いは計算方法です。TOPIXは時価総額加重型、つまり会社の規模(株価×発行株数)に比例して指数への影響力が決まります。
大型株の影響が大きい点はTOPIXも同様ですが、全銘柄を対象にしているため「市場全体の体温計」としての性格が強くなっています。
日経平均とTOPIXの違いを比較する
| 日経平均 | TOPIX | |
|---|---|---|
| 対象銘柄数 | 225銘柄 | 約2,000銘柄 |
| 計算方法 | 株価の単純平均 | 時価総額加重 |
| 影響が大きいのは | 値がさ株(株価が高い銘柄) | 大型株(時価総額が大きい会社) |
| 市場の代表性 | 225銘柄に絞られる | より市場全体を反映 |

なぜ日経最高値でも高配当株は動かないのか
まず一言だけお伝えしたいのですが、「日経が上がっているのに自分の株が動かない」と感じている方は、何も間違っていません。指数と高配当株は、そもそも別の論理で動いています。

理由①:日経を動かしている銘柄が違う
日経平均を大きく動かすのは、株価の高い値がさ株です。ソフトバンクグループや東京エレクトロンのようなハイテク・半導体セクターが日経の上昇を牽引することが多いです。
一方、高配当株の中心は通信・金融・インフラ・卸売・商社といった成熟産業のセクターです。NTTやKDDIのような通信株、三菱UFJのような金融株は、安定した配当が評価されますが、株価の動く論理がハイテク・半導体とはまったく異なります。これらのセクターは指数の上昇を引っ張る「エンジン」にはなりにくい傾向があります。
※特定銘柄はセクターの違いを説明するための例示です。個別株の購入を推奨するものではありません。
日経最高値のニュースの裏側で動いているのは、自分が保有しているセクターとは異なる銘柄だった——ということはよくある話です。
理由②:株価が動く「論理」が違う
成長株とバリュー株(高配当株)は、株価が動く理由が根本から異なります。
- 成長株(ハイテク・半導体等):将来の利益成長を「期待」して買われます。期待が高まると株価が急上昇します
- 高配当株(通信・金融・インフラ等):今の配当収入が目的で保有されます。株価が上がりすぎると利回りが下がって割高感が出ます
高配当株は、相場全体が盛り上がる局面では「出遅れ」に見えます。しかし相場が崩れる局面では、配当がクッションになって下落が緩やかになりやすいです。
2020年のコロナ暴落では含み損が約350万円を超え、資産が約400万円台まで落ちた時期がありました。それでも一株も売らずに持ち続けられたのは、配当が変わらず入り続けていたからです。
40代投資家として、指数とどう付き合うか
結論から言えば、指数が上がっても下がっても、慌てて売買しない。これが9年間で出した答えです。
日経平均は「相場のムード計」として使う
日経平均は「今の相場が盛り上がっているか」を知るための目安として使っています。7万円台に接近したというニュースは、市場全体が強気ムードにあることを示しています。
ただしそれは、自分の高配当株ポートフォリオが同じように上がっているかとは、別の話です。
TOPIXは「市場全体の体温計」として使う
TOPIXは、より広い市場全体の動きを知りたいときに参照しています。日経平均が大きく上昇している局面でもTOPIXが追いついていない場合は、上昇が特定のセクターに偏っている可能性があります。逆に両方が揃って上昇しているなら、相場全体に買いが広がっていると判断できます。
自分のポートフォリオの物差しは「配当の伸び」
最も重視しているのは、指数の動きではなく配当金が増えているかどうかです。
2020年:年間48万円(税引後)→ 2026年:年間120万円(税引後)
9年間でここまで育てることができました。日経の動きに惑わされず積み上げ続けたからだと思っています。この数字が着実に増えていれば、日経平均が最高値を更新しても、自分の株が連動しなくても、長期投資の方向性は間違っていないと判断しています。

まとめ
- 日経平均は225銘柄の株価単純平均。値がさ株(ハイテク・半導体・精密機器等)の影響が大きい
- TOPIXは東証プライム全銘柄の時価総額加重。より市場全体を反映する
- 高配当株(通信・金融・インフラ等)は成長株とは別の論理で動く。日経最高値でも連動しないのは当然
- 指数は「相場のムード」と「市場の体温」を知るための参照軸。自分のポートフォリオの物差しは別に持つ
日経平均が7万円に向かっていても、配当は今年も確実に入ってきます。9年間、物差しにしてきたのはそちらでした。
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
この記事は筆者の個人的な経験・見解を記したものです。投資の判断はご自身の責任のもとで行ってください。
