⚠️ 免責事項
本記事は私個人の投資経験の記録です。特定の金融商品への投資を勧誘・助言するものではありません。過去の投資結果は将来の成果を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。
金利上昇局面で、40代が高配当株を持ち続けていいのか——私の体験から書きます。
金利が上がると「高配当株は売り時だ」という話が増えます。そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
私は2022年以降の金利上昇局面で、金利上昇を理由に保有銘柄を売ったことはありません(私個人の口座実績)。確信があったわけではなく、9年間の投資の中で育てた取得簿価ベース利回り約6.0%というキャッシュフローを手放す理由が見つからなかっただけです。
40歳から9年間、高配当株を中心に96銘柄(国内株・J-REIT 91銘柄+米国ETF 5銘柄)を積み上げ、年間配当は120万円(税引後・私個人の口座実績)になっています。その立場から、「日銀の利上げで高配当株はどうなるのか」という問いに向き合ってみます。
この記事でわかること
- 日銀の金利上昇が高配当株に与えるとされるメカニズムと、私が実際に感じたこと
- 2022年以降の金利上昇局面で、セクターごとに起きた動きの体感
- J-REITが金利上昇で動きやすい理由と、それでも持ち続けた判断の経緯
- 取得簿価利回り6.0%が「売らない」判断の根拠になっている理由
金利上昇で高配当株が下がりやすいと言われる理由
金利上昇が高配当株に影響するとされる理由は、主に2点です。
1つ目は、金利が上がると「安全な利回り(国債など)」が高まり、相対的に株式の配当利回りの魅力が薄れるという構造です。配当利回り3%の株より、国債で2%取れるなら後者でもいいと判断する投資家が増えるというロジックです。
2つ目は、金利上昇が企業の借入コストを押し上げ、配当原資である利益を圧迫しうることです。特に負債を多く抱える企業や、借入依存度の高い業種では影響が出やすいとされています。
これはいずれも「そういう理屈がある」という話であり、私が「必ずそうなる」と判断しているわけではありません。実際の市場の動きは、金利上昇以外の要因——為替・海外金利・企業業績——が複合的に絡み合います。
2022年以降の金利上昇局面で40代の私が実際に感じたこと
日銀が長期にわたる低金利政策からの転換を進め始めたのが2022年以降です。この時期、私のポートフォリオにどんな動きがあったかを記録します。
セクターによって値動きが大きく異なっていた
私の体感として、金利上昇局面で比較的値動きが安定していると感じたのは、銀行・保険・商社の各セクターでした。
銀行セクターは、金利が上がると利ざや(貸出金利と預金金利の差)が改善しやすく、収益にプラスに働くとされています。以前、日銀がゼロ金利政策を転換した際にも、私が保有していた銀行セクター・保険セクターの株価が上昇する局面がありました。「なぜ上がっているか」を理解していたことで、上昇局面でも慌てて利確せずに保有を続けることができたと感じています。
一方で、不動産関連や公益事業関連のセクターは、金利上昇が重しになりやすいと言われており、私の保有銘柄でも値動きが大きかったものがありました。
指標の変動がどのセクターに影響するかを知っておくことの意味
金利上昇の影響を考えるうえで私が意識していたのは、「この指標が動いたとき、どのセクターに影響が出やすいか」という地図を持っておくことでした。
たとえば、短期金利が上がれば銀行セクターの利ざやが改善しやすく、長期金利が上がればJ-REITや不動産セクターへの圧力が高まりやすい。為替が円高に振れれば輸出企業は重くなり、内需型高配当株は相対的に安定しやすい——そういった傾向をざっくり頭に入れておくだけで、相場が動いたときの反応が変わります。
市場は金利・為替・利回りの変化に敏感に反応します。「なぜ動いているのか」がわかっていると、株価が下がったときのパニック売りを防ぎ、むしろ「これは買い場かもしれない」という判断がしやすくなります。逆に、動きの理由がわからないまま相場を見ていると、変動のたびに感情的な売買判断が出やすくなると感じています。
J-REITは金利上昇で値が動きやすかった——それでも売らなかった理由
私のポートフォリオの中でもっとも金利上昇の影響を受けやすかったのは、J-REITでした。
J-REITは不動産を証券化した商品で、物件の賃料収入を分配金として受け取る仕組みです。構造上、長期金利に連動しやすく、金利上昇局面では基準価額(投資口価格)が下がりやすい傾向があります。
私はJ-REITを11銘柄保有しており、ポートフォリオ全体の10%程度を上限に組み入れています(J-REITと40代の高配当株投資の違いはこちら)。J-REITの分配金は年間約11万円(私個人の口座実績)、全体の年間配当120万円の約1割を担っています。
2022〜2024年の金利上昇観測が高まる局面で、J-REITの投資口価格が下がる場面がありました。画面の数字が赤く沈む日が続いても、月々の分配金入金通知は届き続けていました。その通知を確認するたびに、売却ボタンから指を遠ざけることができた——そんな体験でした。
取得時の利回りが4〜5%台で購入しており、分配金の安定感が続いていたからです。価格が下がっても、インカムは維持されていた。そのインカムを受け取り続けることの方が、価格の下落に反応して売却することよりも合理的だと判断しました。
この判断が「正しかった」とは言いません。J-REITの価格回復は、金利の動向次第で先行き不透明なままです。ただ、「10%程度に上限を設けた理由」と「それでも持ち続けた経緯」は記録しておく価値があると思っています。
取得簿価利回り6.0%が40代の「売らない」根拠になっている
私が金利上昇局面でも高配当株を手放さなかった最大の理由は、取得簿価ベースの配当利回りが約6.0%(私個人の口座実績)に育っていることです。
「取得簿価ベース」とは、購入時の価格に対する現在の配当金の割合です。40歳から9年間の投資の中で、利回り3.7%以上を基準に選んだ銘柄を積み上げ続けた結果、増配の積み重ねによって取得簿価ベースの利回りが6.0%になっています(現在の市場価格に対する利回りではありません)。
仮に株価が20%下がったとしても、取得価額に対する配当収益率は変わらない。株価の上下が収入に直結しないという感覚は、9年間保有し続けた経験の中で少しずつ身についたものです。
年間配当120万円(税引後)は、月換算で約10万円です。これは私が長期目標として掲げてきた「月10万円の配当」の達成を意味しています。この収入源を金利上昇への不安から手放すことは、私には判断できませんでした。
金利上昇局面で私が取った行動
実際に私が金利上昇局面で行ったことは、「特に何もしなかった」が正直なところです。
正確には、次のことを意識しながら見守っていました。
- 借入依存度の高い銘柄の財務状況を確認する(決算時に都度チェック)
- 自己資本比率だけでなく、有利子負債比率もチェックする——金利上昇が続く局面では借入依存度の高い企業ほど利払い負担が重くなり、配当原資を圧迫するリスクが高まる
- J-REITの上限(ポートフォリオの10%程度)を超えないよう管理する
- 銀行・保険セクターの比率を急に上げない(既にある程度含んでいたため)
- 配当の減配・無配転落リスクを選定基準(配当性向50%以内・自己資本比率50%以上)で引き続き管理する
金利上昇を「チャンス」とも「ピンチ」とも判断せず、選定基準に沿ったポートフォリオを維持することが、私にとっての対応でした。
また、日銀の金融正常化において政策金利が2%程度を視野に入れているとの見方もあります。今後も段階的な利上げが続く可能性を考えると、有利子負債比率のチェックを定期的に続けることは、これからも意識しておきたい管理項目だと感じています。
まとめ
この記事で書いたことをおさらいします。
- 金利上昇が高配当株に与える影響には構造的なロジックがある。ただし、実際の市場は複合要因で動くため、「金利上昇=下がる」とは言いきれないと感じています
- セクターによって金利上昇への感応度は異なる。銀行・保険・商社は私のポートフォリオで比較的安定していたと感じた一方、J-REITは値動きが大きい局面がありました
- 「どの指標が動いたらどのセクターに影響が出るか」を知っておくことで、パニック売りを防ぎ、買い増し判断がしやすくなります
- J-REITは金利上昇で価格が動きやすい。それでも取得利回り4〜5%台・分配金年約11万円が安定している限り、インカムを受け取り続けることを選びました
- 取得簿価ベース利回り6.0%が「売らない」根拠になっている。株価の上下より、育った利回りを守ることを優先しています
「金利上昇局面でどうする?」という問いへの答えは、保有年数や取得利回りによって変わると思います。私には「金利上昇を理由に売らなかった」という答えしか出せませんでした。あなたの状況ならどう判断しますか。
まだ高配当株を始めていない方は、はじめに:40歳から投資をはじめた理由に私の出発点をまとめています。
40代の金利上昇局面における高配当株の選び方については別記事で、年間配当120万円への道のりは年間配当120万円への道・利回り3.7%→6.0%の記録に詳しく書いています。
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
⚠️ 免責事項(再掲)
本記事の内容は特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。金利上昇の影響・市場の動向は予測不可能であり、投資判断はご自身の責任・判断で行ってください。
