ご利用にあたって 本記事は、筆者個人の投資経験と今後の計画・考え方を記録したものです。筆者は金融商品取引業者・投資助言業者ではなく、特定の金融商品・手法を推奨するものではありません。投資には元本割れ、減配、税制変更等のリスクがあります。投資判断は、ご自身の収入・資産状況・リスク許容度を踏まえて行ってください。
60歳退職に向けて私が出した答えは「高配当株は売らない。年金と配当の2本を月25万円の生活費の土台にし、インデックスの取り崩しは予備の3本目として持つ」でした。
増やし方は9年かけて覚えた。崩し方は、これから設計する。
49歳・資産6,000万円。年間の配当収入(税引後・株主優待を含む)は約120万円になりました。1億円という次の目標も見え始めた今(※現時点の試算であり、将来の到達を保証するものではありません)、「崩し方」を整理しておく必要があると感じています。
「やってみた記録」ではない。49歳の私が、まだ来ていない未来をどう設計しているかの記録だ。
この記事でわかること
- 高配当株を売らないと決めた理由(配当の原資を守る論理)
- 年金・配当・インデックス4%取り崩しの3本柱で月25万円を設計する考え方
- 60歳時点で1億円を目指す根拠と、今わかっていないことの正直な記録
高配当株は売らない:出口戦略で何を残すか

出口戦略で私が最初に考えたのは「何を買うか」ではなく、「何を売らないか」でした。そして出した答えはひとつ——高配当株は売らない。
高配当株を売るということは、配当という現金収入の原資そのものを消すことです。配当金は保有し続けることで毎年入ってくる。売った瞬間に、それは止まる。
仮に売れば一時的な現金は得られても、毎年10万円が入り続ける(見込みの)仕組みは消えます。老後の「収入源を持ち続ける」と「資産を取り崩していく」では、精神的な安定感がまったく異なる——それが私の判断です。
私が9年間かけて積み上げた96銘柄の高配当株は、現在の取得簿価ベースで年利約6.0%の配当を生んでいます(2026年5月時点・筆者個人の実績)。(※取得時の簿価に対する利回りであり、現在の株価で購入した場合の利回りとは異なります。また、配当原資となる投資元本は総資産6,000万円とは別の数値です。減配・無配の可能性もあります)この原資を手放す理由は、私にはありません。
高配当株96銘柄のポートフォリオ実態はこちらの記事で数字を公開しています。
60歳からの資産形成:年金・配当・インデックスで月25万円の設計図

60歳以降の収入は、年金と配当の2本を生活費の土台とし、インデックスの取り崩しを予備の3本目として持つ設計です。
▼図解:60歳以降の収入3本柱(筆者個人の試算)
| 収入源 | 月額(概算) | 性質 |
|---|---|---|
| 国民年金+厚生年金 | 約15.5万円 | 終身・ただし制度変更リスクあり |
| 高配当株の配当金 | 約10万円以上(現時点) | 継続保有で毎年入るキャッシュ(※減配・無配リスクあり) |
| インデックスの4%取り崩し | 未定(60歳時点の資産額次第) | 消費型・元本は徐々に減少 |
年金と配当だけで、現時点でも月25万円強になります(あくまで試算)。インデックスに手をつけずに済む可能性もある。これが60歳以降の生活費の土台という設計です。
※ 年金額は筆者の加入実績に基づく個人試算です。受給額は加入期間・報酬により個人差が大きく、今後の制度変更・受給開始年齢の変更により変動する可能性があります。
4%ルールは日本で使えるか:取り崩しの考え方
正直に言います。インデックスの取り崩し開始タイミングは、まだ決めていません。
60歳時点の総資産額、その時点の生活費、家族の状況——これらを見て判断するつもりです。年金と配当で月25万円以上確保できているなら、インデックスに手をつける必要がない可能性もある。それは60歳になってみないとわかりません。
参考にしているのが4%ルールという考え方です。資産残高の4%を毎年取り崩せば、30年間資産が持続する可能性があるという米国の研究に基づく概念です。
取り崩し方には大きく2種類あります。「定率取り崩し」は毎年資産残高の一定率(例:4%)を引き出す方法で、資産寿命が延びやすいのが特徴です。「定額取り崩し」は毎月・毎年一定額を引き出す方法で、生活費が安定しやすい反面、相場下落時に元本を大きく削るリスクがあります。どちらを選ぶかは、その時点の資産額と生活コストのバランスで決めるつもりです。資産寿命——つまり資産がいつまで持つかを見据えながら設計することが、取り崩し戦略の肝だと考えています。
ただし私は4%ルールを機械的に適用するつもりはありません。あくまで「考え方のフレーム」として持っておき、実際の取り崩し判断は60歳時点の状況を見て決めます。
※ 4%ルールはBengen(1994)等の研究に基づく概念であり、将来の運用成果を保証するものではありません。米国市場のデータに基づくため、日本の税制・インフレ・為替環境への適用には注意が必要です。実際の取り崩し額・期間は運用環境・税制・個人の状況により大きく異なります。
FIREではなく「60歳」という区切りを選んだ理由
私が欲しかったのは「働かない自由」ではなく「辞められる自由」だった。それが60歳という目標を選んだ理由です。
「なぜ今すぐFIREしないのか」という疑問を持つ方もいると思います。
仕事を通じた社会とのつながり、他者への貢献感——それは今の私にとってまだ必要なものです。
ただ、60歳という目標には意味があります。親の介護が本格化する可能性がある年齢。自分の健康に時間を使いたい年齢。そして何より、色んな経験を積んで一度きりの人生を楽しみたいというシンプルな気持ち。
仕事もプライベートも選べる自由を持ちながら人生を楽しみたい。60歳退職は「強制された引退」ではなく、自分で選ぶ区切りとして設計しています。
→ 6,000万円あってもFIREしない理由・「辞められる自由」の話
1億円という目標と、その不確実性
目標は60歳時点で退職金・iDeCoを含めて1億円。ただし、これはあくまで現状維持を前提にした試算です。
現在49歳・金融資産6,000万円。60歳まであと11年。現在のペースで積み立てを続け、配当を再投資し、iDeCoが積み上がり、退職金が加算される——その積み重ねで目標に届き得ると試算しています。ただしこれはあくまで現状維持を前提にした想定で、相場環境・制度変更・家族の状況によって変わり得ます。
大事なのは「1億円になったから崩し始める」という機械的な判断よりも、60歳時点の生活コストと収入源を照らし合わせて、必要な分だけ設計することだと思っています。
9年間の投資経緯と出口戦略に至るまでの全体像はこちらの記事にまとめています。
今わかっていること・わかっていないこと

今わかっていること:
- 高配当株は売らない(配当の原資を守る)
- 60歳以降は年金+配当で月25万円強の土台がある(現時点の試算)
- iDeCoは60歳以降に一括または分割で受け取る
- 取り崩しはインデックス部分から(高配当株には手をつけない)
今わかっていないこと:
- インデックスの取り崩し開始タイミング(60歳時点の状況次第)
- 60歳以降の生活費の実態(現役中とどう変わるか)
- 年金制度の今後の変化
- 60歳までの相場環境
投資の出口は、入口よりも個人差が大きいと思っています。年金額、退職金の有無、住居費、家族構成、健康状態——全部違う。だから「正解の出口戦略」は書けません。書けるのは、「49歳の私が今考えていること」だけです。

崩し方の設計図は、まだ鉛筆書きだ。でも、増やし方をゼロから覚えた9年がある。次の設計図も、きっと描ける。
→ 9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話
投資は元本割れのリスクを伴い、自己責任で行うものです。本記事は筆者個人の経験と計画に基づく記録であり、特定の金融商品の購入・売却・保有を推奨・勧誘するものではありません。年金・税制に関する情報は執筆時点(2026-05-30)のものであり、最新情報は日本年金機構・金融庁等の公式情報をご確認ください。
