本記事は私個人の投資経験の記録です。特定の金融商品への投資を勧誘するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。

結論から言う。40代は全然遅くない

「もう40代だし、NISAを始めても遅いよな」

そう思っているなら、はっきり言う。遅くない。

私は40歳から投資を始めた。手元にあったのは500万円。マネーリテラシーもほぼゼロだった。それが9年後、金融資産は約6,000万円になった。

特殊な才能があったわけでも、最初から順調だったわけでもない。NISAとインデックス投資と、一つの判断——「暴落でも売らない」——を積み重ねてきた結果だ。

「遅い」と思って始めなかった人と、「遅くない」と思って始めた人の間には、9年後に大きな差が生まれる。それだけの話だ。

40歳スタートで9年後に6,000万円。何をやったか

40歳のとき、SBI証券でNISA口座を開設した。最初は高配当株を中心に、手元の400万円を少しずつ投資に回した。

特別なことは何もしていない。

  • 毎月の給与から50%近くを貯蓄・投資に回した
  • NISAで高配当株と米国ETF(SPYD・HDV)を積み上げた
  • 2024年からは新NISAでオルカン・S&P500のインデックス積み立てを加速させた
  • 暴落のたびに買い増した

最初の数年は「本当に増えるのか」と半信半疑だった。資産が増えてくるにつれて確信に変わった。長く続けることが、最大の戦略だった。

現在の資産内訳は株式評価額が約5,000万円、現預金が約1,000万円。合計約6,000万円だ。

時間と複利の話を、難しくせずに言う

「複利が大事」とよく言われるが、要するにこういうことだ。

仮に100万円を年率5%で運用すると、1年後は105万円。しかし10年後は163万円、20年後は265万円になる。増えた分にも利益が乗るからだ。

ここで言う「年率5%」はインデックス投資の長期平均を想定した話であって、個別株の場合はリターンもリスクもそれより大きくなり得る。私自身、高配当株や米国ETFを組み合わせているが、年によって大きく上下する。5%という数字はあくまで「時間の力を理解するための参考値」と思ってほしい。

ここで一つ、別の視点を入れておきたい。

日本では長らく「預金が一番安全」という意識が根強い。しかし実質賃金が下がり続け、物価が上がっている今の環境では、お金はただ持っているだけで実質的な価値が目減りしていく。銀行預金の金利がインフレ率に追いついていないのは、数字を見れば明らかだ。

つまり「何もしないこと」自体が、静かなリスクになっている。だからこそ、インフレ率を上回るリターンを生み出せる資産に一部をヘッジする意味がある。「投資は怖い」という感覚はわかる。でも「預金だけで安心」という時代は、とっくに終わっていると私は思っている。

40歳から始めた私は、49歳の今この時点で約6,000万円という数字を作ることができた。もし40歳で始めていなければ、今この数字はなかった。そしてここから先も、時間は続く。始めた日が、一番早い日だった。

コロナショックで−50%になっても、私は売らなかった

投資を続けていれば、必ず暴落に直面する。

私はコロナショックで保有株の評価額が**−50%**まで落ちた。数字で書くと淡々としているが、実際はそんなものではなかった。

毎朝スマホを開くのが怖かった。前日より数十万円減っている画面を見て、胃が重くなる。仕事のストレスとコロナ禍の閉塞感が重なって、精神的にかなりきつい時期だった。「やっぱり投資なんてすべきじゃなかったのか」「こんな状態で生活していけるのか」と何度も思った。

売りたくなる気持ちは、痛いほどわかる。あの状況で売ってしまうのは、決して弱さではない。人間として当然の反応だと思う。

それでも私が売らなかった理由はシンプルだ。自分が選んだ会社をまだ信じていたからだ。

高配当株を選ぶときに業績・財務・配当の継続性を自分なりに調べていた。コロナは経済を止めたが、自分が選んだ会社の本質的な価値を壊したわけではない——そう考えて、持ち続けた。さらに余裕資金で買い増しも続けた。

その後、市場は回復し、保有株のほとんどがプラスに転じた。

暴落で真価が問われるのは、銘柄選びの眼力、そして「自分が選んだものをどこまで信じて持ち続けられるか」=グリップ力、だと私は思っている。そのためには、自分が何を持っているかをきちんと理解していること——これが長期投資の土台になる。

※ コロナ暴落の心理戦については、「40歳で人生を出直した。手元500万円から投資を始めた理由」でも触れている。より詳細な記録は別記事で書くつもりだ。

新NISAは、旧NISAより圧倒的に有利だ

2024年から始まった新NISAは、旧NISAと比べて明らかに有利な制度になっている。主な違いをまとめる。

項目 旧NISA(一般) 旧つみたてNISA 新NISA
年間投資枠 120万円 40万円 360万円
非課税保有限度額 600万円 800万円 1,800万円
非課税期間 5年 20年 無期限

※ 出典:金融庁「NISAとは?」

旧NISAは非課税期間に上限があり、限度額も低かった。新NISAは生涯1,800万円まで非課税、しかも無期限だ。

40代で始めても、20年以上この恩恵を受け続けられる。旧NISAと比べれば、今のほうがよほど有利な環境で始められる。

では、何歳からだと「遅い」のか

正直に言う。「遅い」かどうかは、年齢では決まらない。

50代でも、今日始めれば10年・20年後の自分を助けられる。

一方、何歳であっても始めなければ資産は増えない。「遅いから始めない」という判断こそが、本当の意味での「遅さ」を生む。

私が思う「遅い」の定義は一つだけだ。「始めなかったとき」だ。

始めるなら今日が一番早い

40歳で始めた私が9年後に6,000万円になれたのは、運もあった。勉強もした。そして苦しい時期に、自分が選んだものを信じて持ち続けることができたから今がある。

「ただ始めただけで増える」ほど甘いものではない。でも、始めなければ何も起きなかったのも事実だ。

最初の一歩——口座を開く、少額でも最初の1株を買う——この行動を起こせるかどうかが、すべての出発点だ。始めた人だけが、その先の経験も失敗も学びも手に入れられる。

あなたが今日NISAを始めれば、10年後・20年後の自分に「あのとき動いてよかった」と思える日が来るかもしれない。始めなければ、その可能性はゼロのままだ。

今日が、残りの人生で一番早い日だ。