生活費が上がっても、私は投資の積立を減らしませんでした。先に固定費を見直して月5,000〜6,500円を捻出したからです。

40歳から投資を始め、9年で資産が約6,000万円になりました。その間、物価高騰の局面は何度もありました。電気代が上がり、食費が上がり、気づいたらサブスクの合計額も増えていました。

この記事では、生活費が上がったとき私がどう考え、どう対処してきたかを記録します。


「積立を減らそうか」が最初によぎる

電気代の明細が増えるたびに、頭をよぎります。「ひとまず積立を1〜2万円減らして様子を見るか」と。

どうするか迷う

表面上は合理的に見えます。月の収支が苦しくなっているなら、出ていくお金を減らすのは自然な発想です。

でも、立ち止まって考えました。積立を減らす判断が「外部環境の変化」を理由にしていい判断なのか、と。

9年間投資を続けてきた経験から言うと、積立を止めた方がよかった局面というのは一度もありませんでした。コロナショックのとき。ウクライナ情勢で相場が荒れたとき。「今だけ少し様子を見よう」と思った記憶はありますが、止めていたら複利の恩恵は薄まっていたはずです。

生活費が上がることと、相場が暴落することは別の話です。でも「外部要因で積立額を変える」という思考回路は、同じ場所から来ていると気づきました。

⚠️ 注意 「積立を絶対に変えてはいけない」という話ではありません。生活が実際に苦しくなっているなら見直しは必要です。この記事では、積立に手をつける前に「固定費の見直し余地を先に探す」という順番を試した体験談です。


まず固定費を3つ見直した

「積立を守るために、先に支出の余地を探す」という順番に変えました。やったことは3つです。

① 電気・ガスの「使い方」より「契約」を先に見直す

最初に電気・ガスの契約プランを確認しました。

転勤が多い私は、赴任先ごとに契約を見直す習慣が薄くなっていました。前の赴任地で申し込んだプランのまま使い続けているケースがあったのです。

プランの比較には各電力会社のシミュレーターを使いました。新電力への切り替えは慎重に考えましたが(供給停止リスクが過去に報道されていたため)、大手電力会社内でのプラン変更は比較的リスクが低いと判断しました。

結果として月2,000〜3,000円の削減ができました。

💡 ポイント 「節電して使う量を減らす」より「契約内容を変える」のほうが即効性が高い場合があります。まず「何の契約でいくら払っているか」の確認が最初の一手でした。

② サブスクを「使用頻度」で仕分ける

月額課金しているサービスを全部書き出しました。書き出してみると、忘れていたものが2つ出てきました。無料体験から移行したまま課金が続いていたサービスです。

どちらも解約しました。月2,000円程度の削減です。

サブスクの整理は「毎月やろう」と思うと続かないので、「光熱費の明細が来たついでに確認する」という紐付けにしました。

③ 食費の「廃棄ロス」を削る

転勤族・一人暮らしの私には「まとめ買い→使いきれずに廃棄」という食費の無駄がありました。

週1回の大型スーパー買い物を止めて、2〜3日分を近所で調達する習慣に変えました。食費総額は微増しましたが、廃棄ロスが減ったことで実質の支出は減っています。月1,000〜1,500円の差です。


3つで月いくら削れたか

見直し項目 月次削減額(概算)
電気・ガスの契約プラン変更 2,000〜3,000円
忘れていたサブスク解約 2,000円
食費の廃棄ロス削減 1,000〜1,500円
合計 約5,000〜6,500円

(いずれも筆者個人の概算です)

月5,000〜6,500円の削減ができ、積立には手をつけずに済みました。

💡 ポイント 「投資の積立を守ること」と「生活費の支出増を吸収すること」は、必ずしもトレードオフではないと感じています。先に家計側の見直し余地を探すことで、積立に手をつけずに済む場合があります。

なお、家族構成や住環境によって削減できる金額は変わります。金額より「積立に手をつける前に固定費の見直し余地を探す」という順番が参考になるかもしれません。

ただ、これで解決したわけではありません。


節約には構造的な限界がある

考える

固定費の見直しは有効でした。でもこれは一時的な対処に過ぎない、と気づきました。

食費もエネルギーも、インフレが続けば来年また上がります。そしてすでに削れるものを削り切った状態では、次に上がったとき対処の余地がなくなります。

「1,000円節約する」より「1,000円多く稼ぐ・増やす」のほうが、長い目で見ると持続性が高い。節約は守りの手段ですが、インフレという継続する圧力に対しては、収入を増やす・配当収入を育てるという「攻めの守り」が必要だと感じています。

なお、インフレ局面において株式投資がなぜ有利になりやすいかというマクロな視点の話は、物価上昇でインデックス投資は有利になる?9年で資産が育った40代の実感に分けて書いています。

💡 補足 節約自体を否定しているわけではありません。ただ「削れるものを削り切った後、次のインフレが来たときにどうするか」という問いに、節約だけでは答えが出ないという話です。


本当の耐性は「稼ぐ力・増やす力」にある

私が今、生活費の上昇に動じないでいられるのは、固定費削減の成果ではなく、9年間積み上げてきた配当収入の増加によるところが大きいと感じています。

2017年に投資を始めたとき、年間配当は3万円でした。それが今では年間120万円(税引後)になっています。月換算で10万円相当です。

詳細は年間配当120万円への道に記録しています。

電気代が月1,500円上がっても、食費が年5万円増えても、配当収入が増え続けていれば、私のケースではそれが自然と吸収される形になっています。同じ結果が誰にでも当てはまるわけではありませんが、仕組みが育っているという感覚は確かにあります。

この感覚は「節約で家計を守る」とは質が違います。配当が入ってくる仕組みが育っていると、外部環境の変化に対して「積立を止めよう」という発想が出てきにくくなるのです。

💡 ポイント 支出を削ることも大事ですが、固定費はインフレで少しずつ増え続けます。「稼ぐ力・増やす力」を育て続けることが、長期的な家計の耐性につながると感じています。投資を続けることは、節約とは別軸の「守り」でもあります。


積立は守れたか

結論として、月10万円超の積立は変えていません。

  • 新NISA(つみたて投資枠):オルカン・S&P500
  • 新NISA(成長投資枠):高配当株・インデックス
  • iDeCo:S&P500連動型(月20,000円)
積立を守り切った

9年前に40歳で投資を始めたとき、積立額は月3万円でした。収入の増加と支出の管理を積み重ねて、今は月10万円以上の水準になっています。NISAの積立設計については40代のNISAは月いくら?月3万から始めた9年に詳しく書いています。

40歳から始めて9年で資産が約6,000万円になったのは、相場が良かったこともありますが、「積立を止めない」という継続性が土台にあったと感じています。

💡 補足 「月10万円も積立できるの?」と思われるかもしれません。転勤族で借り上げ社宅の家賃負担が低いこと、一人暮らしであることが大きな背景にあります。金額の絶対値より「自分の収入・支出に合わせた積立額を維持する」という考え方のほうが参考になると思います。

40歳から投資を始めるにあたって何から手をつけるかは、40代から投資を始める初心者へ・何から読むか迷ったらこちらにまとめています。


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まとめ

  • インフレで生活費は少しずつ上がり続ける。食費・光熱費・サブスク、どれも例外ではない
  • 支出が増えたとき、最初に考えがちな「積立を減らす」という判断は後回しにした
  • 電気・ガスの契約変更・サブスク整理・食費の廃棄ロス削減の3つで月5,000〜6,500円を削減し、積立に手をつけずに済んだ
  • ただし節約には構造的な限界がある。削り切った後の上昇には対処できない
  • 本当の耐性は「稼ぐ力(収入増)」と「増やす力(配当収入増)」にある
  • 9年間積立を続けた結果、配当年120万円が家計の耐性をつくっている

外部環境が変わるたびに積立を増減させると、長期運用の複利効果が薄まると感じています。「まず固定費を見直す」という順番が、私には合っていました。

なお、私の場合は借り上げ社宅で家賃負担が低く、一人暮らしという条件が積立余力を支えています。金額の絶対値より「自分の収入・支出に合わせた仕組みを守り続ける」という考え方のほうが参考になると思います。

もし今、値上げのたびに積立を減らそうか迷っているなら、減らすのは積立ではなく、まず固定費を1つだけ見直すところから試してみてください。


9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


※ この記事は筆者個人の体験をもとにした記録です。投資・家計管理に関する判断は、それぞれの状況をふまえてご自身でご判断ください。