40代で給料が上がらなくても、資産形成の道はあります——私はそれを9年間の記録で証明しました。

40歳から投資を始め、転職も副業もせずに9年後の現在、資産は6,000万円になりました(2017〜2026年の相場環境での個人の記録。将来の成果を保証するものではありません)。転職の話は何度か頭をよぎりましたが、実行しませんでした。副業も「いつかやろう」と思いながら現在に至ります。同じ会社、同じ仕事を続けながら、投資だけを9年間積み重ねた結果です。

「稼ぐ力を高めよ」という声はよく聞きます。それが正しいとも思います。でも、それが難しい状況の人も、乗り気になれない人も、たくさんいます。「稼ぐ力を高める」が王道なのは認めます。本記事はその王道に乗れない・乗らない人のための、もう一つの道の記録です。


40代の給与が頭打ちになることを、私は早めに受け入れた

給与頭打ちを受け入れた40代

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、男性会社員の給与は40代後半から伸びが鈍化し、50代にかけてほぼ横ばいになるパターンが多いとされています。

管理職コースに乗れれば話は別ですが、「乗れなかった」「乗らなかった」人のほうが多数派です。私もそのひとりでした。

40歳の時点で、私はある種の割り切りをしました。

「この先、給料が劇的に増える可能性は低い。でも、それでいい方法がある」

その「方法」が、投資でした。

→ 「40代からの投資は遅い?」という前提の不安がある方はこちら:40歳から投資は遅い?9年続けてわかった現実と始め方


給料が上がらない40代でも資産が増えた3つの仕組み

結論を先に言います。給料が増えなくても資産が増えた理由は、給料の「使い方」を変えたからです。やったことは3つだけです。

1. 給与の約半分を投資に回し続けた

給与の半分を投資に回す習慣

転職も副業もしていないので、収入が増える道は基本的にありませんでした。だから「増やす」ではなく「使わない」ことにエネルギーを集中しました。

9年間の平均貯蓄率は給与の50%近く。月次積立の推移は次のとおりです。

年齢 月あたり積立額
40〜41歳 月3万円
42〜43歳 月5万円
44〜45歳 月7万円
46〜47歳 月8〜10万円
48〜49歳 月10万円以上

生活水準を上げないことが、最大の「稼ぎ」でした。

2. iDeCo・NISAで税制優遇をフル活用した

給料が上がらないなら、税金を下げることで実質的な手取りを増やす——これが私の節税戦略でした。

  • iDeCo:2019年(42歳)から月12,000円でスタート。2024年12月の制度改正後は月20,000円に増額。年収600万円・所得税率20%の試算では、月2万円の掛金で年間約4.8〜7.2万円の節税効果
  • 旧NISA:年120万円をフル活用(2017〜2023年)
  • 新NISA:2024年から年360万円フル活用

「稼ぐ力を高める」のが難しければ、「税金で取られない」を最大化する。多くの会社員に再現しやすい戦略です。

→ iDeCoとNISAの優先順位で迷う方はこちら:40代から投資を始めるなら何から?

3. 高配当株の配当を再投資し続けた

配当再投資で収入の柱が育つ

最初の年(2017年・40歳)の配当金は年3万円でした。9年後の現在は年約120万円(税引後)です。

この伸びは、給料の増減とほぼ無関係です。保有株が積み上がり、企業が増配し、配当を再投資することで自動的に増えていきました。なお、40歳時点では高配当株の投資元本がまだ少なかったため配当利回りは低く見えますが、49歳時点は新NISAでインデックスも増えており、資産全体に対する配当利回りより「取得簿価ベース利回り」のほうが実態を表しています(現在の取得簿価ベース加重平均利回りは約6.0%)。

年齢 年間配当(税引後)
40歳(2017年) 約3万円
43歳(2020年) 約48万円
46歳(2023年) 約84万円
49歳(2026年5月現在) 約120万円

9年で配当だけが月10万円の水準に到達しました。この配当の雪だるまは、給料が増えなくても着実に積み上がってきました(ただし配当は企業業績に依存し、減配・無配のリスクがあります)。


給料頭打ちの9年間、それでも資産形成が止まらなかった数字

年収は9年間で大きくは変わっていません(役職手当でやや増えた程度)。しかし資産の推移はこうなりました。

年齢 資産額 年間配当(税引後)
40歳(2017年末) 約500万円 約3万円
43歳(2020年末) 約900万円 約48万円
46歳(2023年末) 約2,700万円 約84万円
49歳(2026年5月) 約6,000万円 約120万円

給料の増加率と資産の増加率を比べると、資産の伸びのほうが圧倒的に大きい。これが「給料頭打ちでも大丈夫だった」と言える根拠です。

なお、2020年のコロナショックでは資産が一時約400万円台(含み損350万円超)まで落ちました。給料が上がらないという焦りと、含み損350万円という不安が同時にのしかかった時期です。証券口座のアプリを開くのが怖くて、しばらく見ないようにしていました。それでも一株も売らずに持ち続けた結果、年末には約900万円まで回復しています。「給料も上がらない、資産も減った」という状況でも、私の場合は売らなかったことが9年後の6,000万円につながっています。


「稼ぐ力を高めろ」に乗れなかった、正直な理由

転職や副業を否定するつもりはありません。それで成功した人を何人も知っています。

ただ、私は「乗らない」という選択をしました。正直に言うと、こういう判断でした。

  • 40代前半、転職を考えられる精神状態ではなかった:家庭環境の変化、転勤のストレス、得意先からのカスタマーハラスメントでメンタルがすり減っていた時期でした。転職活動を始めるエネルギー自体がなかった、というのが正直なところです
  • 副業で稼げるレベルになるまでのコストが見合わない:転勤族で残業も多く、「副業を軌道に乗せる時間」より「今の給料を着実に投資する時間」のほうが確実だと考えた
  • 私個人としては、給与収入を「貯める→増やす」に乗せる方が性に合っていた:一般的には「稼ぐ力を高める」「貯蓄率を上げる」の組み合わせが資産形成の近道だと思います。ただ私の場合は、給与があるうちに入金力を最大化して投資に回す方が、自分の性格に合っていた

これは「できなかった」だけではなく、状況と性格の掛け合わせで選んだ道でした。その結果、40歳時点の貯金の12倍の資産になりました。

「稼ぐ力」論が刺さらない状況でも、別の道があるということです。


給料頭打ちの40代が今すぐできること

同じ状況の40代に向けて、先ほどの3つの仕組みを「明日から始める順番」に並べ替えてまとめます。

1. 大きな経費・固定費の見直しを先にやる

投資の前に、家・車・保険・通信費など大きな固定費を見直すことが先決です。小さな節約を100個重ねるより、大きな支出を1つ削る方がインパクトは大きい。

2. 新NISAをインデックスから始める

iDeCoより先に新NISAを優先すべき理由は3つです。①生涯非課税枠1,800万円の大きさ、②いつでも引き出せる(資金拘束なし)、③少額から始めやすい。初心者なら「新NISAでインデックス投資→新NISAで高配当株→iDeCo」の順番が入りやすいと思います。私も月3万円のインデックス積立からスタートしました。

3. 新NISA成長投資枠で高配当株を積む

インデックス投資に慣れてきたら、新NISAの成長投資枠(年240万円)で高配当株を加えていきます。配当を受け取り再投資することで、収入の柱が少しずつ太くなっていきます。最初は年数千円でも、継続することで複利の力が働き始めます。私の場合、年3万円が9年で年120万円になりました。

4. iDeCoは新NISAを使いこなしてから

節税効果は強力ですが(年収600万円・月2万円の掛金で年間約4.8〜7.2万円の節税効果・試算)、60歳まで引き出せない資金拘束があります。まず新NISAで投資習慣をつけてから、余裕が出てきたタイミングで検討するので十分です。


よくある質問

Q:給料が増えない状況で、何年くらいで結果が出ますか?

A:私の場合は9年で500万円が6,000万円になりました。ただし、これは2017〜2026年の相場環境での個人の実績です。「いつ結果が出るか」より「続けられるか」のほうが重要だと感じています。

Q:転職や副業を試みなかったことを後悔していますか?

A:していません。転職や副業でもっと稼げた可能性はあると思いますが、「そちらに費やすエネルギーで投資継続が止まっていたかもしれない」とも考えています。どちらが正解かはわかりませんが、私は投資継続を選んで良かったと感じています。

Q:給料が増えない分、生活水準を落としましたか?

A:落とした、というより「上げなかった」が正確です。40歳時点の生活水準をほぼそのまま維持し、昇給分や残業代は基本的に投資に回しました。

Q:高配当株の配当はいつ「実感できる額」になりましたか?

A:年48万円(月4万円)に達した2020年(43歳)あたりから、生活の余裕として感じ始めました。ここまで来ると「雪だるま効果」を実感できます。


まとめ

給料頭打ちでも別の道を突き進んだ9年
  • 給料が頭打ちでも、給与の使い方と長期投資の組み合わせで資産は増やせた
  • iDeCo・新NISA・高配当株の組み合わせで、9年間で500万円が6,000万円になった
  • 転職も副業もしなかったが、「稼ぐ力を高めなくても別の道がある」と実証できた
  • 始めるなら固定費削減→新NISAインデックス→新NISA高配当株→iDeCoの順序がおすすめ

給料が上がらなかったことを、私は今、むしろ良かったと思っています。あの制約があったから、投資だけに集中できた。その9年が、この記録を作りました。

9年で配当が年3万円から年120万円になった記録

9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話


※本記事は個人の投資記録です(2017〜2026年の相場環境下での一例)。将来の成果を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。