ご利用にあたって 本記事は、筆者個人の投資経験と調査内容を記録したものです。筆者は金融商品取引業者・投資助言業者ではなく、本記事は特定の金融商品・銘柄・証券会社の購入、売却、保有を推奨するものではありません。投資には元本割れ、減配、無配、為替変動、税制変更等のリスクがあります。投資判断は、ご自身の収入、資産状況、リスク許容度を踏まえて行ってください。

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結論から言います。

40歳から「ほったらかし投資術」の考え方で9年積み立てた結果、資産は500万円から6,000万円になりました。(個人の実績。市場環境・収入・支出条件により結果は異なります。投資は自己責任で。)

ただし、本に書いてある通りに「ほったらかし」にするのは、思っていたよりずっと難しかった。

これは本の要約ではありません。3度の暴落を経た私の正直な答え合わせです。

40歳・500万円から投資を始めたときの話


40歳のとき、「ほったらかし投資術」を半信半疑で読んだ

半信半疑で読んだほったらかし投資術

2017年、40歳で投資を始めようと思ったとき、何冊か本を手に取りました。

その中の一冊が「ほったらかし投資術」(山崎元・水瀬ケンイチ著)でした。

ほったらかし投資術 全面改訂第3版

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読んだ最初の感想は、正直、「本当にこんなに単純でいいのか」でした。

  • 毎月一定額を積み立てる
  • 低コストのインデックスファンドを選ぶ
  • あとは放置する

書いてあることはシンプルです。でも40歳の私には、「これだけでいいのか」という疑念が消えませんでした。

「本当にほったらかしにして、老後のお金が作れるのか」 「相場を見て売り買いしないと損をするんじゃないか」

そういう疑問を持ちながら、とにかく始めることにしました。最初は月3万円の積み立てからスタートしました。


積立を始めて3年が経った頃、コロナが来た

コロナショックで試された積立継続

投資を始めて3年が経った2020年の春、コロナショックが起きました。

2020年2月に約800万円あった資産が、4月には400万円台まで落ちました。含み損は350万円超。下落率はマイナス50%近くでした。

朝、スマホを開くのが怖くなっていました。前の日より必ず赤い数字が増えている。ニュースやネットでも「もう売ったほうがいい」という声が聞こえ始めました。

そのとき、私の頭の中に一つの問いが浮かびました。

「今すぐ売れば、損失をここで止められる」

結論から言うと、私は一株も売りませんでした。

その判断ができた理由は、後で書きます。

コロナショックで含み損350万円でも売らなかった9年の暴落記録


ほったらかしを邪魔したのは、相場ではなく自分だった

「ほったらかしにする」——言葉にすると簡単です。でも実際にやってみると、これが難しいことがわかりました。

難しさには、二種類あります。

難しさ①:売りたくなる衝動

相場が上がれば「そろそろ売って確定しようか」と思います。 相場が下がれば「もっと下がる前に逃げようか」と思います。

この衝動は、9年経った今も完全には消えていません。

ただ、最初の数年で私は気づきました。売買を繰り返した結果がよかった記憶が、ほとんどないことに。

2019年、あるセクターの株を「上がりきった」と判断して売りました。その後も上がりました。2021年の相場回復局面で一部を売った株は、2024年の新NISA元年でさらに高値をつけました。

売るたびに後悔する経験が積み重なっていきました。

難しさ②:何もしていない罪悪感

「ほったらかし」をしていると、「何もしていない」という罪悪感があります。

周りが「この銘柄が来る」「今が売り時だ」と話しているのに、自分は何もしていない。それが正しいと頭ではわかっていても、落ち着かない気持ちが続きました。

投資3年目くらいまでは、毎朝株価をチェックして、「何かしなきゃ」という気持ちと戦っていました。

この罪悪感をどう手放したかは、次のセクションで書きます。


「売買しすぎない」——9年でどう変わったか

9年間を振り返ると、私の売買頻度は年を追うごとに下がりました。

最初の2〜3年は、チャートを毎日見て、「今が安い」「今が高い」と判断しようとしていました。当たったり外れたりの繰り返しで、感覚的にはほぼ五分五分でした。

ある失敗をきっかけに、売買を大幅に減らしました。(減配・高値掴み・ナンピンの9年間失敗記録

今は、年に数回しか売買しません。基本は積み立て続けるだけです。

この変化が起きてから、成績はむしろ安定しました。「動かないこと」が最も難しいことであり、最も効果的な行動でもあることを、身をもって理解しました。


「感情で動かない」——コロナ暴落で試された

コロナ暴落で売らずにいられた理由は、三つあります。

一つ目は、給料が入り続けていたこと。

生活費を、投資資産から出す必要がありませんでした。毎月の給料で食べていける状態だったから、含み損のまま放置できました。

6,000万円あってもFIREしない理由——「辞められる自由」を目指した9年

二つ目は、生活防衛資金を別で持っていたこと。

投資口座の外に、すぐに使えるお金を確保していました。「これがあるから、株が下がっても売らなくていい」という安心感が、判断を変えました。

40代の生活防衛資金——暴落時に売らないための設計

三つ目は、「暴落の後には回復が来る」という考え方を頭に入れていたこと。

コロナ底値から1年後、市場は回復しました。私の資産も、2021年末には1,600万円になっていました。

「感情で動かない」を支えていたのは、意志の強さではありません。動かなくていい状態を、事前に作っていたことでした。


「インデックス中心」と高配当個別株——なぜ矛盾していないのか

インデックスと個別株が矛盾しない理由を考える

「ほったらかし投資術」が主に語るのは、インデックスファンドへの長期積立です。

私はこれに加えて、高配当の個別株への投資もしてきました。今の資産構成は、インデックスファンドが約20%、高配当個別株が約80%です。

「本の通りじゃないじゃないか」と思われるかもしれません。ここは正直に書きます。

本が否定しているのは「トレーディング」であって「長期保有」ではない

(私の理解では、)本が主に批判しているのは、株価の上下を利用して頻繁に売買を繰り返し、利ざやを稼ごうとする投機的な手法です。

私がやってきたのは、それとは違います。

買ったら、9年間ほぼ売りませんでした。目的は株価の値上がりではなく、企業が生み出す利益を配当という形で受け取り続けること。長期保有による企業価値の享受という発想は、「ほったらかし」の精神と、むしろ近いと感じています。

良質な日本株インデックスファンドが少ない

オルカン(全世界株式インデックスファンド)やS&P500連動のインデックスファンドには、信託報酬が年0.1%以下の優れた商品が揃っています。

ところが、日本株だけに投資する低コストのインデックスファンドは、選択肢が限られます。

そこで私は、日本の高配当株を複数の業種に分散して積み上げることで、いわば「自分版・日本株インデックス」を作ってきました。96銘柄・複数の業種に分散した結果、個別銘柄のリスクを薄めながら、日本企業の成長と配当を受け取る構造になっています。

高配当株を9年売らずに持ち続けられた7つの基準

オルカン・S&P500と個別株は相互補完できる

インデックスファンド(オルカン・S&P500)で世界の経済成長を取り込み、日本の高配当個別株で毎年の配当収入を積み上げる。両者は目的が異なるため、組み合わせると相互補完の関係になります。

「ほったらかし投資術」の考え方は、個別株投資をしている人にも充分に取り入れられると私は感じています。大事なのは「頻繁に売買しない」「感情で動かない」「長期で持つ」という姿勢であり、それはインデックスでも個別株でも変わりません。


「長期積立」——9年続けてわかったこと

40歳から月3万円の積み立てを始めて、今は月10万円以上になっています。

毎月一定額を積み立て続けること(いわゆるドルコスト平均法)で、相場が高い時も安い時も平均的な単価で買い続けられます。下落したときの積み立ては、後から振り返れば「安値での買い増し」になっていることが多かった。

9年続けてわかったのは、積立額より積立継続のほうが、はるかに大事だということです。

市場が下がったときも積み立て続けられたのは、積立額を無理のない範囲に設定していたからです。

新NISA成長投資枠で月10万円積み立てる設計

コロナ底値の2020年4月にも、翌月の積み立てをいつも通り実行しました。あの積み立てが、後から振り返ると一番いい買い物になっていました。


「ほったらかし投資術」9年後の答え合わせ——何が正しくて何が難しかったか

この考え方で実感できたことをまとめます。

※以下は私個人が9年実践して感じたことであり、投資手法を推奨するものではありません。

考え方 9年後の私の実感
長期積立を続ける ◎ 積み立て続けることが最も重要だった
インデックスファンドに低コストで投資する ◎ コストの差は長期で大きく効いた
売買を減らす ◎ 売るたびに後悔することが多かった
感情で動かない ◎ 3度の暴落で試され、持ちこたえた
暴落は必ず来る ◎ コロナ・ウクライナ・トランプで3回経験した
ほったらかしにする △ 正しいが難しい。続けるための仕組みが必要

「△」をつけたのは、「ほったらかし」が間違いだからではありません。ほったらかしを維持するためには、感情管理の仕組みや生活防衛資金の準備など、「ほったらかしにできる状態を作る努力」が別途必要だということです。


「ほったらかし投資術」をこれから読む40代へ

「ほったらかし投資術」は、投資を始める前に読んでほしい本の一つです。

ほったらかし投資術 全面改訂第3版

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この本が語る考え方の核は、「難しいことをしなくていい」ということだと私は理解しています。

40歳の私が半信半疑だったその主張を、9年後の私は信じています。

難しいことをしなくていい。でも、続けることだけは難しい。

その「続ける」ための準備——生活防衛資金、無理のない積立額、感情で動かない仕組み——を整えてから始めると、9年後の景色が変わると思います。

私が6,000万円に到達したのは、特別な才能や運があったからではありません。40歳から月3万円の積み立てを、やめずに続けたからです。

9年前の私に伝えたいことは、一つだけです——やめなければ、前に進める。


まとめ:「ほったらかし」の先にあるもの

9年間積み上げてきた成果
  • 「ほったらかし投資術」の考え方は、9年間の実体験から見ても納得できるものだった
  • ただし「ほったらかし」を維持するには、準備と仕組みが必要
  • 暴落時に売らずにいられたのは、給料・生活防衛資金・積立継続の3つがあったから
  • 積立額より積立継続のほうが、長期では大きな差を生む
  • 続けた結果、私の場合は6,000万円に到達しました(市場環境・収入・支出条件により結果は人それぞれです)

本の内容を超えて伝えたいのは、「ほったらかしにできる状態を最初に作る」ことの大切さです。

感情に流されず、暴落でも売らず、淡々と積み立て続ける。そのために何が必要かを、投資を始める前に考えておくと、長期間の投資がずっと楽になります。


9年間の全記録:40歳・500万円から6,000万円になった話